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22_80 現代に生きる人間の倫理 / 近代思想の始まり(ルネサンス/宗教改革など)

プロテスタントの思想~ルター/カルバン~

著者名: zed
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ルターの思想

ルターが宗教改革を唱えた発端は、カトリック教会が資金を得るために、購入すると購入者本人とその家族の罪が許されるとした贖宥状(しょくゆうじょう)を売り始めたことでした。買えば救われるだなんて、どう考えてもおかしいですよね。そこらへんの悪徳商法となんら変わりません。
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ルター

これに対してルターは、本当の信仰とは教会に対するものではなく、神に対するものであると主張しカトリック教会に反発しました。この考えを信仰義認と言います。結局ルターは破門をされてしまうのですが、この考え方は領主や農民の支持を集め宗教改革の引き金を引くことになりました。
ルターはこの他にも、神の前ではすべての信者が平等であるので、信仰に身分はいらない(司祭と信者の関係など)という万人司祭という考え方や、本当の心の拠り所は、教会の行う事業やイベントを通じて得られるものではなく、一人ひとりが聖書から感じて得られるものだとする聖書中心主義を唱えました。

つまり「本当の信仰とは何なのか」を再度カトリック信者たちに認識させたという点で、ルターのとった行動は歴史に残るものとなりました。このルターの思想にさらに拍車をかけたのが、カルバンです。
カルバンの予定説

カルバンは、人々は生まれた段階で、神によってその人生があらかじめ決められているという予定説を唱えました。つまり生きている中で救われる者と救われない者は、その本人の意思に関係なく決められているというものです。またカルバンは、これから逃れることはできないものの、神の掟を守って勤勉に働くことで、なんらかの救いを求めることができると説きました。
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カルバン

カルバンの考えもまた、教会ありきの信仰ではなく、個人での信仰にフォーカスをしたものですね。
このような新しいキリスト教の立場をプロテスタントと言います。
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『教科書 新倫理 改訂版』 清水書院
『もういちど読む 山川倫理』小寺聡 山川出版社

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