はじめに
ルネサンスという言葉をご存知でしょうか。
この言葉は、よく再生とか再興などと表現されます。
歴史上のルネサンスはどのように成立・発展していったのでしょうか。
今回は、世界史において多大な影響をもたらしたイタリア=ルネサンスについて説明したいと思います。
そもそもルネサンスとは?
ルネサンスとは、もともとフランス語で「再生」を意味する単語のことです。では、何を再生しようとしていたのでしょうか。
これは中世末期の教会中心の文化から、個性を尊重し人間性を解放させた
ギリシア・ローマ文化を復活させようという運動だったのです。
ギリシア・ローマ時代、芸術や文化は
人間性を重点においたものでした。しかし、その後ヨーロッパでキリスト教が広まると、芸術や文化も神を礼賛し、宗教の布教のために発展していきました。
このキリスト教中心のヨーロッパ文化の大きな転換期となったのが、イタリア=ルネサンスだったと言えます。
ルネサンスの勃興の理由
さて、ルネサンスは中世の価値観を大きく変える出来事だったわけですが、この運動が14世紀に興った理由はなんだったのでしょう。
第一に、当時イタリアは非常に裕福だったことが挙げられます。
なぜそんなにお金があったかといえば、
東方(レヴァント)貿易のおかげなんです。
東方貿易というのは、北イタリア諸都市とレヴァント(地中海東岸)地方との貿易のことでしたね。イタリア商人は地理的にもイスラム商人とのつながりが強かったので、ヨーロッパにとって貴重な
香辛料を独占的に販売していました。これがイタリアに多くの富をもたらしました。
第二に、十字軍以降、
イスラムや
東ローマ帝国(ビザンツ)の文化が流入しやすかったことです。特に東ローマ帝国が衰退してくると、ビザンツやイスラムの学者や文化人がイタリアに流入してきたので、抑圧された当時のヨーロッパの文化人に様々な刺激を与えたと言われています。
第三に、古代ローマはイタリアにあったので、そこら中にローマの遺跡やら石像が残っていたことです。イタリアの人々は日常的に古典文化=古代ローマ文化という環境にあったわけで、古典復興の気運が高まりやすい土地柄でもありました。
このようにしてイタリア=ルネサンス時代が幕を開けました。