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古文単語「あそばす/遊ばす」の意味・解説【連語/サ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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「あそばす/遊ばす」の意味・活用・使用例【連語/サ行四段活用】

このテキストでは、古文単語「あそばす/遊ばす」の意味、活用、解説とその使用例を記している。


「あそばす/遊ばす」には
①連語
②サ行四段活用
の用法がある。

①連語

上代の用法。バ行四段活用の動詞「あそぶ」の未然形「あそば」と上代の尊敬の助動詞「す」が一語になったもの。

意味

歌・楽器・狩りなどをなさる

[出典]:万葉集
「大御手に取らしたまひてあそばししわが大君を...」

[訳]:(弓を)手に持たれて狩りをなさった我が君を...



②サ行四段活用

未然形あそばさ
連用形あそばし
終止形あそばす
連体形あそばす
已然形あそばせ
命令形あそばせ


意味1:他動詞

(「あそぶ/遊ぶ」の尊敬語で)
歌・楽器・狩りなどをなさる

[出典]競べ弓 大鏡
「帥殿の、南院にて人々集めて弓あそばししに...」

[訳]:帥殿(藤原伊周)が、(藤原道隆=伊周の父親がいる)南院で人々を集めて弓の競射をなさったときに...


意味2:他動詞

(「なす/為す」の尊敬語で)
お~になる、なさる

[出典]:道隆 大鏡
「久しく双六つかまつらで、いとさうざうしきに今日あそばせ。」

[訳]:長い間双六をいたさず、張り合いがないので今日は(双六を)なさいませ。


意味3:補助動詞

(「お/ご」+動詞の連用形または名詞に付いて)
お~になる、なさる

[出典]:女殺油地獄 近松門左衛門
「あれへお通りあそばせ。」

[訳]:あちらへ通りになってください。


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