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中東戦争の原因と影響 ~ユダヤ・アラブの対立と石油危機~ |
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著作名:
レキシントン
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中東戦争は、イスラエルと周辺のアラブ諸国との戦いです。1948年から1973年まで断続的に4回の戦争が起こりました。
長い間、イェルサレムなど聖地が含まれるパレスチナ地域は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が互いに領有を望みつつも、共存していました。
ところが、第一次世界大戦でオスマン帝国が西欧列強に敗れたあと、パレスチナがイギリスの委任統治領として植民地化になると状況が一変します。
第二次世界大戦に関してイギリスによる三枚舌外交がきっかけとなりパレスチナ問題が起こるんですね。
戦後、ユダヤ人の入植が激増し、1947年国連がパレスチナ分割案を採択します。
翌年パレスチナにイスラエルの建国が宣言されると、アラブ側がこれに反発し、第一次中東戦争がおこります。
パレスチナ戦争とも言います。パレスチナ分割案によって建国されたイスラエルと、それを認めないアラブ諸国がパレスチナに侵攻し、はじまりました。
アラブ側は、エジプト・サウジアラビア・イラク・トランスヨルダン・シリア・レバノンなどからなる軍隊で、15万人以上の兵力、一方イスラエル側は3万人の兵力でした。
数で劣ったイスラエルでしたが、イギリスやアメリカの支援のもと、この戦争に勝利し、国連分割で提示された以上の領土を手にします。
スエズ戦争とも言います。1956年、エジプトの新しいアスワン=ハイ=ダムがイギリスとアメリカの協力のもと建設される予定だったのですが、エジプトが東側から兵器を購入したことで、この計画が頓挫したため、対抗措置としてエジプト大統領ナセルがスエズ運河国有化すると宣言しました。
イギリスやフランスはスエズ運河の大株主だったのでこれに反発し、イスラエルが開戦の発端となり、両国はこれを支援しました。
イスラエルと、イギリス・フランス軍が出兵しましたが、その後国連の即時停戦決議や、ソ連によるエジプト支援の表明、アメリカの反対などにより撤退し、その後スエズ運河の国有化が承認されます。
ゴラン高原のユダヤ人入植をめぐってイスラエルとアラブの緊張が高まり、イスラエルの先制攻撃ではじまりました。
エジプト・シリア・ヨルダン・イラクの軍事基地は破壊され、イスラエルはわずか6日間で戦争に勝利し、ヨルダン川西岸地区・ガザ地区・シナイ半島(後に返還)・ゴラン高原を占領します。
短期間で決着したので、別名六日戦争とも呼ばれます。
第3次中東戦争で惨敗したアラブ側が反撃した戦いです。
ナセルが死去したあと、エジプト大統領になったサダトは軍備を増強し、1973年10月、シリアとともにイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けます。
ゴラン高原やシナイ半島で戦闘がおこなわれ、またしてもイスラエルが勝利しますが、この戦争中OAPEC(アラブ石油輸出国機構)が石油戦略を発動しました。
これにより、イスラエルに味方する国への石油禁輸や、原産、原油価格の引き上げなどが行われ、先進諸国の経済が大打撃を受け、石油危機がおこります。
同時期に、ドルの固定相場制から変動相場制に変わるきっかとなったニクソン=ショックが起きており、ブレトン=ウッズ体制は崩壊、この石油戦略とともに世界経済が混乱しました。
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