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古文単語「ことごと」の意味・解説
著作名: 走るメロス
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「ことごと」の意味・使用例

このテキストでは、古文単語ことごと」の意味、解説とその使用例を記している。

「ことごと」には
①「事事」(名詞)
②「異事」(名詞)
③「悉・尽」(名詞/副詞)
などの用法がある。

①事事

名詞

意味

さまざまなこと、いろいろなこと

[出典]ある者、子を法師になして 徒然草
「まづさしあたりたる目の前の事にのみまぎれて月日をおくれば、ことごとなすことなくして、身は老いぬ。」

[訳]:とりあえずさしあたって目の前のことにだけ心を奪われて月日を過ごせば、さまざまなことにおいて大成することなく、体は老いてしまいます。




②異事

名詞

意味

別なこと、他のこと

[出典]物語 更級日記
「親の太秦にこもり給へるにも、ことごとなくこのことを申して...」

[訳]:親が太秦(にある広隆寺)に祈願のために泊まり込まれるときにも、他のことはなくこのことだけを(願い)申し上げて...




③悉・尽

名詞

意味

全部、すべて

[出典]:万葉集
「橿原の聖の御代ゆ生れましし神のことごと...」

[訳]:橿原の天皇(神武天皇)の御代以来、お生まれになった神(である天皇)のすべてが...


副詞

意味1

すべて、残らず、すっかり

[出典]:手習 源氏物語
「君ぞ、ことごと聞き合はせける。」

[訳]:あなたは、(浮舟が姿を隠して生きていることを)すべて聞き知っていましたね。


意味2

まったく、完全に

[出典]:栄花物語
「二葉よりことごと疑ひなく、后がねとかしづき聞こえ給へるに...」

[訳]:(藤原教通は自分の娘のことを)幼少のころからまったく疑いもなく、皇后の候補者として大切にご養育申し上げなさっていたのに...


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