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古文単語「かよふ/通ふ」の意味・解説【ハ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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「かよふ/通ふ」の意味・活用・使用例【ハ行四段活用】

このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「かよふ/通ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ハ行四段活用

未然形かよは
連用形かよひ
終止形かよふ
連体形かよふ
已然形かよへ
命令形かよへ


意味1:自動詞

行き来する、往来する

[出典]百人一首
「淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守」

[訳]:淡路島から通ってくる(淡路島に飛び交う)千鳥の(物悲しく)鳴く声に、(いったい)幾晩眠りから覚めただろうか。須磨の関守は。



意味2:自動詞

(男性が女性のもとへ)
行く、結婚して行き通う

[出典]博打の子の婿入り 宇治拾遺物語
「この家のむすめは、わが領じて三年になりぬるを、汝、いかにおもひて、かくは通ふぞ。」

[訳]:この家の娘は、私の者になってから3年になるのを、お前はどの了見で通ってくるのか。



意味3:自動詞

(手紙や気持ちなどが相手に)
通じる、届く

[出典]:薄雲 源氏物語
「雪深み 深山の道は 晴れずとも なほふみ通へ あと絶えずして」

[訳]:雪の深いので奥深い山の道は晴れないとしても、雪を踏み分けて来て欲しい(手紙をよこしてほしい)。跡が絶えないように。



意味4:自動詞

似通う、共通点がある

[出典]:徒然草
「鵺鳥も、喚子鳥のことざまに通ひて聞こゆ。」

[訳]:鵺鳥も、カッコウの様子に似通っているように思われる。



意味5:自動詞

精通している、よく知っている

[出典]:御法 源氏物語
「仏の道にさへ通ひたまひける御心のほどなどを...」

[訳]:仏の道にまで精通していらっしゃったお心のほどなどを...



意味6:自動詞

入り交じる、交わる

[出典]:御法 源氏物語
「松が枝の通へる枝をとぐらにて...」

[訳]:松の枝が交差しているのを(鳥が)ねぐらにして...


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