|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
衛満とは わかりやすい世界史用語451 |
著作名:
ピアソラ
2,677 views |
衛満とは
衛満(えいまん、生没年不詳)は、紀元前190年頃に朝鮮半島北部に衛氏朝鮮を建国した人物です。彼は中国燕の出身で、朝鮮の歴史において同時代の歴史書に明記される最初の君主とされています。衛満に関する最も古い記録は『史記』であり、彼の名前は「満」とだけ表記されています。姓を「衛」と記すのは『三国志』裴松之の注で引かれた『魏略』以降の文献で見られます。
衛満の生涯については、『史記』および『漢書』に詳細に記述されており、それによると、衛満は燕人であり、燕王であった盧綰の部下だったとされています。盧綰は漢朝の高祖の幼馴染であったが、謀反の嫌疑により漢軍の討伐を受け、前195年に盧綰は匈奴に亡命しました。衛満も東方へ逃れ、千戸を率いて浿水(現在の鴨緑江)を渡河し、「秦故空地上下鄣」に定住しました。この地は、無人の荒地または平野や中州を指し、以前から中国勢力がこの地域に進入し、植民地化していた場所でした。
衛満は、朝鮮西部に亡命者の集落を作り、燕・斉・趙からの亡命者を誘い入れ、亡命者集落の指導者となりました。彼は朝鮮に隷属しながらも自立した政権を築き、軍事的性格が非常に強い連合政権を形成しました。そして、ある時、衛満は芝居を打ち、前漢が攻めてきたと詐称して、準王を護るという口実で、王都に乗り込みました。準王は衛満に応戦したが、『魏略』によると準王は衛満と戦ったが、勝負にならなかったと記されています。結果として、衛満は箕子朝鮮を滅ぼし、衛氏朝鮮を建国しました。王険城(現在の平壌)を王都としました。
衛満は、漢朝の外臣となり、前漢皇帝は衛満を遼東太守の外臣とし、東方からの異民族の侵入に備えるとともに、衛満の朝鮮方面における支配圏の拡大を支持しました。衛氏朝鮮の政権は、衛満の朝鮮侵攻に従った燕人、真番と朝鮮の土着の「蛮族」、衛氏朝鮮樹立後に河北・山東・遼東から移住してきた漢人からなる連合体でした。
衛氏朝鮮の歴史は、その後も漢朝との関係や内部の政治動向によって複雑な展開を見せました。最終的には前108年、漢の武帝の時代に漢の衛氏朝鮮遠征によって滅ぼされ、楽浪郡などの漢四郡が設置されました。これにより、衛氏朝鮮は歴史の舞台から姿を消し、朝鮮半島の歴史は新たな局面を迎えることになりました。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
衛氏朝鮮とは わかりやすい世界史用語450
>
楽浪郡とは わかりやすい世界史用語452
>
鄒衍とは わかりやすい世界史用語364
>
青銅器(中国)とは わかりやすい世界史用語286
>
封建とは わかりやすい世界史用語300
>
彩文土器とは わかりやすい世界史用語274
>
皇帝(中国)とは わかりやすい世界史用語428
>
最近見たテキスト
衛満とは わかりやすい世界史用語451
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他