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平準とは わかりやすい世界史用語464
著作名: ピアソラ
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平準とは

前漢武帝期に導入された平準は、国家経済の安定化を目指した画期的な施策でした。紀元前110年、桑弘羊の進言により実施されたこの政策は、均輸と連携しながら、物価の変動抑制と国庫収入の増加を主眼としていました。

政策の中核を担ったのは、新設された平準令という役職です。大司農の指揮下で活動した平準令は、首都に設置された倉庫を管理し、全国から集められた物資の出納を司りました。彼らは市場の動向を注視し、価格高騰時には備蓄品を放出、下落時には買い上げを行うことで、物価の安定化に努めました。

この仕組みは、大規模商人による市場操作を抑制する効果も持ち合わせていました。さらに、官営の商業活動を通じて国家収入の増大も図られました。

一方、均輸法は平準法に先立つこと数年、紀元前110年に始まりました。この制度は、各地方に均輸官を配置し、政府需要品の調達と輸送を担当させることで、仲介業者の利益を排除し、効率的な物資の流通を目指しました。

平準が時間軸での価格変動に対応したのに対し、均輸は空間的な物資の移動に重点を置いていました。平準が全国的な市場調整を図る一方、均輸は主に地方から中央への物資の流れを管理しました。

これら二つの政策は、武帝の積極的な対外政策による財政逼迫を緩和するために導入されました。しかし、商業活動への国家介入に対する反発も大きく、後の昭帝の時代には廃止されることとなりました。

このように、平準と均輸は、古代中国における国家主導の経済管理の先駆的な試みとして、歴史的に重要な意義を持つ政策だったのです。

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