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インド=ヨーロッパ語系とは 世界史用語113 |
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著作名:
ピアソラ
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インド=ヨーロッパ語系とは、ヨーロッパやアジアの多くの地域で話されている言語の一族です。紀元前3000年頃には、黒海北部のステップ地帯で話されていた一つの言語が、移動する部族によってヨーロッパやアジアに広まり、時間とともに別々の言語に発展しました。この言語の子孫は、以下の10の主要な枝に分類されます。
アナトリア語派:現在は絶滅した言語で、紀元前1千年紀から2千年紀にかけて、現在のトルコやシリアの一部で話されていました。最もよく知られているアナトリア語は、ヒッタイト語で、紀元前2千年紀に栄えたヒッタイト帝国の公用語でした。
インド・イラン語派:インド・アーリア語派(インド語派)とイラン語派に分かれます。インド・アーリア語派は、紀元前1000年以前から、現在のインドやパキスタンの北部と中部で話されています。最古のインド・アーリア語は、紀元前1000年頃に書かれたインドの最古の聖典である『リグ・ヴェーダ』に用いられたヴェーダ語です。イラン語派は、紀元前1000年頃から、現在のイランやアフガニスタンなどの地域で話されています。最古のイラン語は、ゾロアスター教の聖典である『アヴェスター』に用いられたアヴェスター語です。
ギリシア語派:ギリシア語のみからなる言語で、紀元前1500年頃から、現在のギリシアやキプロスなどの地域で話されています。最古のギリシア語は、紀元前13世紀頃に書かれた線文字Bで記されたミケーネ語です。
イタリック語派:ラテン語やその子孫であるロマンス諸語などからなる言語で、紀元前1000年頃から、現在のイタリアやフランスなどの地域で話されています。最古のイタリック語は、紀元前7世紀頃に書かれたラテン語の碑文です。
ゲルマン語派:英語やドイツ語などからなる言語で、紀元前500年頃から、現在のヨーロッパや北アメリカなどの地域で話されています。最古のゲルマン語は、紀元後2世紀頃に書かれたゴート語の聖書です。
アルメニア語派:アルメニア語のみからなる言語で、紀元前500年頃から、現在のアルメニアやジョージアなどの地域で話されています。最古のアルメニア語は、紀元後5世紀頃に書かれたアルメニア語の聖書です。
トカラ語派:現在は絶滅した言語で、紀元前1千年紀から紀元後1千年紀にかけて、現在の中国の新疆ウイグル自治区で話されていました。最古のトカラ語は、紀元後6世紀頃に書かれた仏教の経典です。
ケルト語派:アイルランド語やウェールズ語などからなる言語で、紀元前1000年頃から、現在のイギリスやアイルランドなどの地域で話されています。最古のケルト語は、紀元前6世紀頃に書かれたガリア語の碑文です。
バルト・スラヴ語派:バルト語派とスラヴ語派に分かれます。バルト語派は、リトアニア語やラトビア語などからなる言語で、紀元前500年頃から、現在のバルト三国の地域で話されています。最古のバルト語は、紀元後14世紀頃に書かれたリトアニア語の法令です。スラヴ語派は、ロシア語やポーランド語などからなる言語で、紀元前500年頃から、現在の東ヨーロッパや中央ヨーロッパなどの地域で話されています。最古のスラヴ語は、紀元後9世紀頃に書かれた古代教会スラヴ語の聖書です。
アルバニア語派:アルバニア語のみからなる言語で、紀元前1000年頃から、現在のアルバニアやコソボなどの地域で話されています。最古のアルバニア語は、紀元後15世紀頃に書かれたアルバニア語の文書です。
インドヨーロッパ語系の研究は、1786年にウィリアム・ジョーンズが、ギリシア語やラテン語、サンスクリット語、ゲルマン語、ケルト語などが「共通の源」から派生したと提唱したことに始まります。19世紀には、言語学者たちは他の言語もインドヨーロッパ語系に加え、ラスムス・ラスクなどの学者は音の対応関係を確立しました。
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