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古文単語「くだく/砕く/摧く」の意味・解説【カ行四段活用/カ行下二段活用】 |
著作名:
走るメロス
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「くだく/砕く/摧く」の意味・活用・使用例【カ行四段活用/カ行下二段活用】
このテキストでは、カ行四段活用/カ行下二段活用の動詞「くだく/砕く/摧く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「くだく」には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
①カ行四段活用
未然形 | くだか |
連用形 | くだき |
終止形 | くだく |
連体形 | くだく |
已然形 | くだけ |
命令形 | くだけ |
■意味1:他動詞
粉々にする、細かくする。
■意味2:他動詞
思い悩む、心を痛める。
[出典]:須磨 源氏物語
「なほざりにても、ほのかに見たてまつり通ひたまひし所々、人知れぬ心をくだきたまふ人ぞ多かりける。」
[訳]:特に気にも留めない気持ちでも、わずかにお逢い申し上げて情を交わされた方々には、人知れず心を痛めていらっしゃる方が多かった。
「なほざりにても、ほのかに見たてまつり通ひたまひし所々、人知れぬ心をくだきたまふ人ぞ多かりける。」
[訳]:特に気にも留めない気持ちでも、わずかにお逢い申し上げて情を交わされた方々には、人知れず心を痛めていらっしゃる方が多かった。
■意味3:他動詞
力の限りを尽くす。
※この用法の場合「身をくだく」の形で用いられることが多い
[出典]:若菜下 源氏物語
「身をくだきて思し惑ふを見たてまつれば...」
[訳]:力の限りを尽くして心配なさるのを拝見しては...
「身をくだきて思し惑ふを見たてまつれば...」
[訳]:力の限りを尽くして心配なさるのを拝見しては...
②カ行下二段活用
未然形 | くだけ |
連用形 | くだけ |
終止形 | くだく |
連体形 | くだくる |
已然形 | くだくれ |
命令形 | くだけよ |
■意味1:自動詞
粉々にくだける、細かくなる。
[出典]:よろづのことは月見るにこそ 徒然草
「岩に砕けて清く流るる水の気色こそ...」
[訳]:岩に(ぶつかって)粉々にくだけ清く流れる水の様子は...
「岩に砕けて清く流るる水の気色こそ...」
[訳]:岩に(ぶつかって)粉々にくだけ清く流れる水の様子は...
■意味2:自動詞
悩む、思い乱れる。
[出典]:葵 源氏物語
「年ごろ、よろづに思ひ残すことなく過ぐしつれど、かうしも砕けぬを...」
[訳]:長年、すべてにつけて思いを残すことなく過ごしてきましたが、このように思い乱れることはなかったのに...
「年ごろ、よろづに思ひ残すことなく過ぐしつれど、かうしも砕けぬを...」
[訳]:長年、すべてにつけて思いを残すことなく過ごしてきましたが、このように思い乱れることはなかったのに...
■意味3:自動詞
整わない、まとまらない。
[出典]:和歌こそ、なほをかしきものなれ 徒然草
「まことに、少しくだけたる姿にもや見ゆらん。」
[訳]:本当に、(この和歌は)少し(調子が)整わないようにも見えるのだろうか。
「まことに、少しくだけたる姿にもや見ゆらん。」
[訳]:本当に、(この和歌は)少し(調子が)整わないようにも見えるのだろうか。
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