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古文単語「ぬるし/温し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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ぬるし/温し

このテキストでは、ク活用の形容詞「ぬるし/温し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形ぬるくぬるから
連用形ぬるくぬるかり
終止形ぬるし
連体形ぬるきぬるかる
已然形ぬるけれ
命令形ぬるかれ


意味1

生暖かい

[出典]春はあけぼの 枕草子
「昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。」

[訳]:昼になって、生暖かく(寒さが)だんだんとやわらいでいくと、火桶に入った炭火も白い灰が多くなっているのは(見た目が)よくない。


意味2

鈍い、機敏でない、のろい

[出典]:おどろのした 増鏡
「御本性も、父帝よりは少しぬるくおはしましけれど...」

[訳]:ご性格も、父である帝よりは少し鈍くていらっしゃいましたが...




意味3

情が薄い、熱心でない、いい加減だ

[出典]:若菜上 源氏物語
「かかればこそ、世のおぼえのほどよりは、うちうちの御心ざしぬるきやうにはありけれ。」

[訳]:だからこそ、世間の評判(が高い)よりは、(源氏の君の)心中のご愛情は薄いようであった。


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