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古文単語「いたづらなり/徒らなり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】
著作名: 走るメロス
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「いたづらなり/徒らなり」の意味・活用・使用例【形容動詞ナリ活用】

このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「いたづらなり/徒らなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容動詞・ナリ活用

未然形いたづらなら
連用形いたづらなりいたづらに
終止形いたづらなり
連体形いたづらなる
已然形いたづらなれ
命令形いたづらなれ


意味1

役に立たない、無駄である

[出典]亀山殿の御池に 徒然草
「多くの銭を賜ひて、数日に営み出だして、掛けたりけるに、おほかた廻らざりければ、とかく直しけれども、つひに回らで、いたづらに立てりけり。」

[訳]:多くの金銭をお与えになって、数日かけてこしらえあげて、(水車を川に)かけたところ、まったくまわらなかったので、あれこれと直してみたけれど、最後までまわることはなく、(水車は)むだに立っているだけであった。


意味2

むなしい、はかない

[出典]:古今和歌集・百人一首 小野小町
「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」

[訳]:花の色は色あせてしまったことよ、長雨が降り続く間に。むなしく私もこの世で月日を過ごしてしまった、物思いにふけっている間に。




意味3

することがない、暇である

[出典]:土佐日記
「舟も出さでいたづらなれば、ある人の詠める」

[訳]:船も出さないですることがないので、ある人が詠んだ(歌)。


意味4

場所が空いている様、何もない

[出典]:徒然草
「少しの地もいたづらに置かんことは、益なき事なり。」

[訳]:少しの土地でも、空いたままにしておくことは、無益なことである。


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