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古文単語「ちぎる/千切る/捩る」の意味・解説【ラ行四段活用/ラ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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ちぎる/千切る/捩る

このテキストでは、古文単語「ちぎる/千切る/捩る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「ちぎる」には
①千切る/捩る
契る
などがあるが、ここでは「①千切る/捩る」を扱う。

また「千切る/捩る」には、①ラ行四段活用と②ラ行下二段活用の用法がある。
①ラ行四段活用

未然形ちぎら
連用形ちぎり
終止形ちぎる
連体形ちぎる
已然形ちぎれ
命令形ちぎれ


意味1:他動詞

手で細かく切る、千切る

[出典]:蜻蛉日記
「...と聞こえたれば、海松のひき干しの短く千切りたるを結ひ集めて...」

[訳]:...と聞こえたので、海松の引き干しを短く千切ったものを束ねて...


意味2:補助動詞

ひどく〜する、著しく〜する、さかんに〜する

※この用法の場合、他の動詞の連用形について用いられる。
[出典]:宇治拾遺物語
「歯を食ひ合わせて、念珠を揉みちぎる。」

[訳]:歯を食しばって、数珠をさかんに力を入れて揉む。




②ラ行下二段活用

未然形ちぎれ
連用形ちぎれ
終止形ちぎる
連体形ちぎるる
已然形ちぎるれ
命令形ちぎれよ


意味:自動詞

引っ張られて切れる、もぎとれる、ねじ切れる

[出典]これも仁和寺の法師 徒然草
「藁のしべをまはりにさし入れて、かねを隔てて、首もちぎるばかり引きたるに、耳鼻欠けうげながら抜けにけり。」

[訳]:わらの芯を(首)周りにさし入れて、足鼎と(首と)の間を離して、首もちぎれてしまうぐらい引っ張ったところ、耳や鼻は欠けて穴が開いたものの(足鼎は頭から)抜けたのだった。


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