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『楚辞』とは わかりやすい世界史用語493
著作名: ピアソラ
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楚辞とは

楚辞(楚の詞)は、中国の古代詩歌の韻文集であり、主に戦国時代の屈原や宋玉に帰される作品と、数世紀後の漢代に作られた多くの作品を含んでいます。この詩集は、2世紀の漢代の図書館員であった王逸によって現在の形にまとめられました。

楚辞は、楚の地(現在の中国中部)で発展した詩の形式に由来します。楚の地は、中央平原の文化と南方の文化が交錯する場所であり、その詩には異国情緒が強く反映されています。特に、楚の詩には、霊的な旅や神々との交流が描かれています。

楚辞の中で最も有名な詩人は屈原であり、彼の作品「離騒」は特に有名です。屈原は楚の王族の一員であり、政治的な陰謀により追放されました。その後、彼は南方を放浪しながら詩を作り続けました。彼の詩は、個人的な悲しみや絶望を表現しつつも、同時に国家への忠誠心や理想を描いています。

漢代において、楚辞の詩は広く受け入れられ、詩人たちはこの形式を模倣して多くの作品を生み出しました。漢書には、多くの詩人が詩を作ったと記されています。この時期の詩は、楚辞の形式を踏襲しつつも、漢代の文化や思想を反映しています。
楚辞の詩は、その形式と内容の両面で中国文学に大きな影響を与えました。

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