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古文単語「とまる/止まる/留まる」の意味・解説【ラ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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とまる/止まる/留まる

このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「とまる/止まる/留まる」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「とまる」には
①止まる/留まる
②泊まる
があるが、ここでは「①止まる/留まる」について扱う。
ラ行四段活用

未然形とまら
連用形とまり
終止形とまる
連体形とまる
已然形とまれ
命令形とまれ


意味1:自動詞

動かなくなる、停止する、立ち止まる

[出典]:下部に酒飲まする事は 徒然草
「日暮れにたる山中に、あやしきぞ。とまり候へ。」

[訳]:日が暮れている山の中で、あやしいぞ。立ち止まりなされ。


意味2:自動詞

とりやめる、中止になる

[出典]花山院の出家 大鏡
「さりとて、とまらせ給ふべきやう侍らず。神璽・宝剣わたり給ひぬるには。」

[訳]:そうはいっても、(出家を)取りやめなさることができるものではございません。神璽・宝剣が(すでに皇太子へと)お渡りになりましたので。




意味3:自動詞

生き残る、後に残る、居残る

[出典]御法 源氏物語
「さるべき僧、誰かとまりたる。」

[訳]:しかるべき僧は、誰か残っていますか。


意味4:自動詞

(目、耳、心などに)
とまる、ひきつけられる

[出典]:心にくきもの 枕草子
「ひさげの柄のたうれふすも、耳こそとまれ。」

[訳]:ひさげの柄の倒れる音も、注意がひかれる




意味5:自動詞

落ち着く、決める

[出典]若菜上 源氏物語
「みづからの御心ながらだに、え定め給ふまじかなるを、ましてことわりも何も。いづこにとまるべきにか。」

[訳]:ご自身のお考えでさえ、お決めになれそうにないようですので、まして(私には)慣例だとも何とも。どちらに落ち着くことになるのでしょうか。


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