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古文単語「くらし/暗し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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「くらし/暗し」の意味・活用・使用例【形容詞ク活用】

このテキストでは、ク活用の形容詞「くらし/暗し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

形容詞・ク活用

未然形くらくくらから
連用形くらくくらかり
終止形くらし
連体形くらきくらかる
已然形くらけれ
命令形くらかれ


意味1

(光が少なく)
暗い

[出典]東下り 伊勢物語
「わが入らむとする道はいと暗う細きに... 」

[訳]:自分が入ろうとする道は、とても暗く細く...

※「暗う」は「暗し」の連用形「暗く」のウ音便


意味2

知識が乏しい、愚かである

[出典]:徒然草 兼好法師
くらき人の、人をはかりて、その智を知れりと思はん、さらにあたるべからず。」

[訳]愚かな人が、他人を推し量って、(その人の)知恵の程度を知っていると思っても、少しも当たるはずがない。




意味3

悟りを得られていない、迷いがある

[出典]:拾遺和歌集 和泉式部
くらきよりくらき道にぞ入りぬべき遥かに照らせ山の葉の月」

[訳]:私はからへと入り込んでしまいそうです。どうかはるか遠くまで(私を)照らしてほしい、山の端にかかる月よ。


意味4

不十分である、不足している、乏しい

[出典]:国性爺合戦
「我が韃靼は大国にて七珍万宝くらからずと申せども...」

[訳]:我がモンゴルは大国なので様々な種類の財宝は乏しくないといっても...




意味5

未開の

[出典]:日本書紀
「時、くらきに鍾れり。」

[訳]:時は、未開の時にあたっている


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