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古文単語「ゆかし」の意味・解説【形容詞シク活用】
著作名: 走るメロス
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「ゆかし」の意味・活用・使用例【形容詞シク活用】

このテキストでは、シク活用の形容詞「ゆかし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

形容詞・シク活用

未然形ゆかしくゆかしから
連用形ゆかしくゆかしかり
終止形ゆかし
連体形ゆかしきゆかしかる
已然形ゆかしけれ
命令形ゆかしかれ


意味1

見たい、知りたい、聞きたい、〜したい

[出典]若紫・北山の垣間見 源氏物語
「ねびゆかむさまゆかしき人かなと...」

[訳]:成長して大人になっていくであろう様子を見てみたい人だなと...


[出典]仁和寺にある法師 徒然草
ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて...」

[訳]知りたいとは思いましたが、神に参拝するのが本来の目的だと思って...


[出典]物語・源氏の五十余巻 更級日記
「いみじく心もとなく、ゆかしくおぼゆるままに、「この源氏の物語、一の巻よりしてみな見せ給へ。」と、心のうちに祈る。」

[訳]:大変じれったく、読みたいと思われるので、「この源氏の物語を、一の巻から皆お見せください。」と、心の中で祈る。




意味2

なんとなく心が惹かれる、なつかしい

[出典]:野ざらし紀行 松尾芭蕉
「山路来て何やらゆかしすみれ草」

[訳]:山道を進み、ふと見ると道端にすみれの花が咲いている。その姿になんとなく心が惹かれるものだ。


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