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『人虎伝』(初、我於逆旅中〜)書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説 |
著作名:
走るメロス
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『人虎伝』
ここでは中国の説話集「唐人説会」におさめられている『人虎伝』(初、我於逆旅中〜)の白文(原文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
※中島敦の短編小説「山月記」はこの話を元に書かれていますが、内容が異なるので注意してください。
原文(白文)
「初、我於逆旅中、為疾発狂、既入荒山。
而僕者駆我乗馬、衣囊悉逃去。
吾妻孥尚在虢略。
豈知我化為異類乎。
君若自南回、為賷書、訪妻子、但云我已死、無言今日事。
志之。」
而僕者駆我乗馬、衣囊悉逃去。
吾妻孥尚在虢略。
豈知我化為異類乎。
君若自南回、為賷書、訪妻子、但云我已死、無言今日事。
志之。」
乃曰、
「吾於人世、且無資業。
有子尚稚、固難自謀。
君位列周行、素秉風義。
昔日之分、豈他人能右哉。
必望念其孤弱。
時賑恤之、無使殍死於道途、亦恩之大者。」
有子尚稚、固難自謀。
君位列周行、素秉風義。
昔日之分、豈他人能右哉。
必望念其孤弱。
時賑恤之、無使殍死於道途、亦恩之大者。」
言已、又悲泣。
傪亦泣曰、
「傪与足下 休戚同。
焉然則足下子亦傪子也。
当力逼厚命。
又何虞其不至哉。」
焉然則足下子亦傪子也。
当力逼厚命。
又何虞其不至哉。」
書き下し文
「初め、我が逆旅の中(うち)に於いて、疾(やまい)の為に発狂し、既に荒山に入る。
而(しこう)して僕者我が乗馬を駆り、衣囊(いのう)もて悉(ことごとく)逃げ去る。
吾が妻孥(さいど)尚ほ虢略(かりゃく)に在り。
豈に我化して異類と為るを知らんや。
君南より回(かえ)らば、為に書を賷(もたら)して、吾が妻子を訪(と)ひ、但(た)だ我已に死せりと云ひ、今日の事を言ふこと無かれ。
之を志(しる)せ。」と。
而(しこう)して僕者我が乗馬を駆り、衣囊(いのう)もて悉(ことごとく)逃げ去る。
吾が妻孥(さいど)尚ほ虢略(かりゃく)に在り。
豈に我化して異類と為るを知らんや。
君南より回(かえ)らば、為に書を賷(もたら)して、吾が妻子を訪(と)ひ、但(た)だ我已に死せりと云ひ、今日の事を言ふこと無かれ。
之を志(しる)せ。」と。
乃ち曰はく、
「吾人の世に於ひて、且つ資業無し。
子有るも尚ほ稚(おさな)く、固(もと)より自ら謀り難し。
君は位周行に列し、素より風義(ふうぎ)を秉る。
昔日の分、豈に他人能く右(まさ)らんや。
必ず其の孤弱を念ふを望む。
時に之を賑恤(しんじゅつ)し、道途(どうと)に殍死(ふし)せしむること無くんば、亦恩の大なる者なり。」と。
子有るも尚ほ稚(おさな)く、固(もと)より自ら謀り難し。
君は位周行に列し、素より風義(ふうぎ)を秉る。
昔日の分、豈に他人能く右(まさ)らんや。
必ず其の孤弱を念ふを望む。
時に之を賑恤(しんじゅつ)し、道途(どうと)に殍死(ふし)せしむること無くんば、亦恩の大なる者なり。」と。
言ひ已(お)はりて、又悲泣(ひきゅう)す。
傪も亦泣きて曰はく、
「傪と足下とは休戚(きゅうせき)同じ。
然らば則ち足下の子は亦傪の子なり。
当に力(つと)めて厚命に逼(そ)ふべし。
又何ぞ其の至らざると虞(おそ)れんや。」と。
然らば則ち足下の子は亦傪の子なり。
当に力(つと)めて厚命に逼(そ)ふべし。
又何ぞ其の至らざると虞(おそ)れんや。」と。
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