|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
平家物語原文全集「鱸(すずき) 1」 |
著作名:
古典愛好家
21,651 views |
平家物語
鱸(すずき)
其の子共は、諸衛(しょえ)の佐(すけ)になる。昇殿せしに、殿上のまじはりを人嫌ふに及ばず。其の比(ころ)忠盛、備前国より都へのぼりたりけるに、鳥羽院、
「明石浦はいかに」
と、御尋(おんたずね)ねありければ、
有明の月も明石のうら風に 浪ばかりこそよるとみえしか
と申したりければ、御感(ぎょかん)ありけり。この歌は、金葉集にぞ入(いれ)られける。忠盛また仙洞に最愛の女房をもつて通はれけるが、ある時、その女房のつぼねに、妻に月出したる扇を忘れて出でられたりければ、かたへの女房たち、
「これはいづくよりの月影ぞや、出所(いでどころ)おぼつかなし」
なんど、笑ひあはれければ、かの女房、
雲井よりただもりきたる月なれば おぼろけにてはいはじとぞ思ふ
と詠みたりければ、いとどあさからずぞ思はれける。薩摩守忠教(さつまのかみただのり)の母これなり。似るを友とかやの風情に、忠盛もすいたりければ、かの女房もゆうなりけり。
続き
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
平家物語原文全集「殿上闇討 6」
>
平家物語原文全集「鱸(すずき) 2」
>
百人一首39『浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき』現代語訳と解説(序詞、枕詞など)
>
在原業平『おほかたは月をもめでじこれぞこの積もれば人の老いとなるもの』 現代語訳と品詞分解
>
竹取物語『火鼠の皮衣』 わかりやすい現代語訳・解説
>
源氏物語『葵』のあらすじを短くわかりやすく解説!
>
『初草の生ひゆく末も知らぬ間にいかでか露の消えむとすらむ』わかりやすい現代語訳と品詞分解
>
最近見たテキスト
平家物語原文全集「鱸(すずき) 1」
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト