更新日時:
|
|
平家物語原文全集「殿上闇討 1」 |
|
著作名:
古典愛好家
12,430 views |
しかるを忠盛備前守(ただもりびぜんのかみ)たりし時、鳥羽院の御願、得長寿院を造進して、三十三間の御堂を建て、一千一体の御仏を据え奉る。供養は天承元年三月十三日なり。勧賞(けんじょう)には關国(けんこく)を給ふべき由(よし)仰下されける。境節(をりふれ)但馬国(たじまのくに)のあきたりけるを給ひにけり。上皇御感の余りに、内の昇殿をゆるさる。忠盛三十六にて、始めて昇殿す。
雲の上人これをそねみ、同じ年の12月廿三日、五節豐明(ごせつとよのあかり)の節会(せちえ)の夜、忠盛を闇討ちせんとぞ擬せられける。忠盛、是を伝え聞いて、
「われ右筆の身にあらず。武勇の家に生まれて、今不慮の恥にあわん事、家の為身の為、心憂かるべし。せむずるところ、身を全うして君に仕ふという本文あり」
とて、かねて用意をいたす。参内のはじめより、大きなる鞘卷(さやまき)を用意して、束帯(そくたい)の下にしどけなげにさし、火のほの暗き方に向かつて、やはら此の刀を抜き出し、鬢(びん)にひきあてられけるが、氷なんどの様にぞ見えける。諸人目をすましけり。
続き
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
平家物語原文全集「祇園精舎」
>
平家物語原文全集「殿上闇討 2」
>
枕草子 原文全集「文言葉なめき人こそ」
>
蜻蛉日記原文全集「かくていまは」
>
蜻蛉日記原文全集「つくづくと思ひつづくることは」
>
枕草子 原文全集「池は」
>
蜻蛉日記原文全集「七月十余日になりて」
>
最近見たテキスト
平家物語原文全集「殿上闇討 1」
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト