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蜻蛉日記原文全集「また、尚侍の殿よりとひ給へる御かへりに」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

また、尚侍の殿よりとひ給へる御かへりに

また、尚侍の殿よりとひ給へる御かへりに、心ぼそくかきかきて上文(うはぶみ)に

「西山より」


とかいたるを、いかがおぼしけん、又ある御かへりに、

「とはの大里より」


とあるを、いとをかしと思ひけんも、いかなる心々にてさるにかありけん。

かくしつつ日ごろになり、ながめまさるに、ある修行者、御嶽(みたけ)より熊野へ大峰どほりにこえけるがことなるべし、

と山だにかかりけるをとしらくもの ふかき心はしるもしらぬも

とて、おとしたりけり。
             
    

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