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源氏物語 桐壺 その21 源氏、左大臣家の娘(葵上)と結婚 |
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著作名:
春樹
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あくまでもイメージを掴む参考にしてください。
その夜、大臣の御里に源氏の君まかでさせたまふ。作法世にめづらしきまで、もてかしづききこえたまへり。いときびはにておはしたるを、ゆゆしううつくしと思ひきこえたまへり。女君はすこし過ぐしたまへるほどに、いと若うおはすれば、似げなく恥づかしと思いたり。
この大臣の御おぼえいとやむごとなきに、母宮、内裏の一つ后腹になむおはしければ、いづ方につけてもいとはなやかなるに、この君さへかくおはし添ひぬれば、春宮の御祖父にて、つひに世の中を知りたまふべき右大臣の御勢ひは、ものにもあらず圧されたまへり。
御子どもあまた腹々にものしたまふ。宮の御腹は、蔵人少将にていと若うをかしきを、右大臣の、御仲はいと好からねど、え見過ぐしたまはで、かしづきたまふ四の君にあはせたまへり。劣らずもてかしづきたるは、あらまほしき御あはひどもになむ。
源氏の君は、主上の常に召しまつはせば、心安く里住みもえしたまはず。心のうちには、ただ藤壺の御ありさまを、類なしと思ひきこえて、「さやうならむ人をこそ見め。似る人なくもおはしけるかな。大殿の君、いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、心にもつかず」おぼえたまひて、幼きほどの心一つにかかりて、いと苦しきまでぞおはしける。
その夜、源氏の君は源氏の君は左大臣家に婿として出向きました。婚礼の儀式は例がないほど立派に執り行なわれました。大臣は、この高貴な美少年の婿をとても愛おしく思いました。源氏の君は、姫君の方が少し年上でしたので、似つかわしくなく恥ずかしいと思っているようです。
この大臣は権力を持った上に、姫君の母は帝と同じ母から生まれた妹でしたので、どこからみても華やかな家系です。そこに源氏の君が加わったのですから、東宮の祖父で将来政権を担うと思われている右大臣の権威は比較できないほど気圧されてしまっています。
左大臣には、何人かの妻妾から生まれた子供がいました。その中で内親王が生んだ子どもが、現在は蔵人少将という肩書きについており、とても若く美しい方です左大臣と右大臣の仲があまりよくはないのですが、他人としてほっておくこともできないで、自分の四の宮に婿として迎え入れていました。左大臣が源氏の君を大切にしているのに劣らずに、右大臣が大事な婿として大切に扱われていることは、理想的な婿舅の関係であったと言えましょう。
源氏の君は、帝が側におきたがるので妻の家に行ってゆっくりすこともできないでいます。源氏の君は、藤壺の宮の美しさが最上のものに思われて、『あのような人を自分も妻にしたい、ただ宮のような女性はいないだろうなぁ』と思っています。左大臣家の娘は大切に育てられた人だとは思うものの、少しも心が惹かれないようで、心には藤壺の宮のことばかり思い、苦しい思いをしていました。
【源氏物語 原文】
その夜、大臣の御里に源氏の君まかでさせたまふ。作法世にめづらしきまで、もてかしづききこえたまへり。いときびはにておはしたるを、ゆゆしううつくしと思ひきこえたまへり。女君はすこし過ぐしたまへるほどに、いと若うおはすれば、似げなく恥づかしと思いたり。
この大臣の御おぼえいとやむごとなきに、母宮、内裏の一つ后腹になむおはしければ、いづ方につけてもいとはなやかなるに、この君さへかくおはし添ひぬれば、春宮の御祖父にて、つひに世の中を知りたまふべき右大臣の御勢ひは、ものにもあらず圧されたまへり。
御子どもあまた腹々にものしたまふ。宮の御腹は、蔵人少将にていと若うをかしきを、右大臣の、御仲はいと好からねど、え見過ぐしたまはで、かしづきたまふ四の君にあはせたまへり。劣らずもてかしづきたるは、あらまほしき御あはひどもになむ。
源氏の君は、主上の常に召しまつはせば、心安く里住みもえしたまはず。心のうちには、ただ藤壺の御ありさまを、類なしと思ひきこえて、「さやうならむ人をこそ見め。似る人なくもおはしけるかな。大殿の君、いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、心にもつかず」おぼえたまひて、幼きほどの心一つにかかりて、いと苦しきまでぞおはしける。
【現代語訳】
その夜、源氏の君は源氏の君は左大臣家に婿として出向きました。婚礼の儀式は例がないほど立派に執り行なわれました。大臣は、この高貴な美少年の婿をとても愛おしく思いました。源氏の君は、姫君の方が少し年上でしたので、似つかわしくなく恥ずかしいと思っているようです。
この大臣は権力を持った上に、姫君の母は帝と同じ母から生まれた妹でしたので、どこからみても華やかな家系です。そこに源氏の君が加わったのですから、東宮の祖父で将来政権を担うと思われている右大臣の権威は比較できないほど気圧されてしまっています。
左大臣には、何人かの妻妾から生まれた子供がいました。その中で内親王が生んだ子どもが、現在は蔵人少将という肩書きについており、とても若く美しい方です左大臣と右大臣の仲があまりよくはないのですが、他人としてほっておくこともできないで、自分の四の宮に婿として迎え入れていました。左大臣が源氏の君を大切にしているのに劣らずに、右大臣が大事な婿として大切に扱われていることは、理想的な婿舅の関係であったと言えましょう。
源氏の君は、帝が側におきたがるので妻の家に行ってゆっくりすこともできないでいます。源氏の君は、藤壺の宮の美しさが最上のものに思われて、『あのような人を自分も妻にしたい、ただ宮のような女性はいないだろうなぁ』と思っています。左大臣家の娘は大切に育てられた人だとは思うものの、少しも心が惹かれないようで、心には藤壺の宮のことばかり思い、苦しい思いをしていました。
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