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「アフガニスタン・イスラム共和国」について調べてみよう |
著作名:
早稲男
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アフガニスタン・イスラム共和国
アフガニスタン・イスラム共和国(以下「アフガニスタン」。英語ではIslamic Republic of Afghanistan)は、中央アジア・西アジアと南アジアの交差点に位置する内陸国です。
このテキストでは、アフガニスタンの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。
1.国土
アフガニスタンは、東と南はパキスタン、西はイラン、北はトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンと国境を接しています。国土面積は約65万2,000平方キロメートルで、日本の約1.7倍の広さを持ちます。首都はカブールです。
国土の大部分は険しい山岳地帯であり、特にヒンドゥークシュ山脈が北東から南西にかけて走っています。最高峰のノシャック山は標高7,492メートルに達します。南西部にはレグスタン砂漠が広がり、乾燥した気候が特徴です。
気候は乾燥から半乾燥で、冬は寒冷、夏は暑熱が特徴です。主要な河川にはアムダリヤ川(全長2,620キロメートル)やヘルマンド川(全長1,130キロメートル)があり、これらは農業や生活用水の供給源として重要な役割を果たしています。
2.人口と人種
2024年の推計によれば、アフガニスタンの総人口は約4,012万人で、男性が約2,030万人、女性が約1,982万人です。民族構成は多様で、主な民族としてパシュトゥーン人、タジク人、ハザーラ人、ウズベク人が挙げられます。パシュトゥーン人は全人口の約40%を占め、主に南部と東部に居住しています。タジク人は約30%、ハザーラ人は約15%、ウズベク人は約10%とされています。他にも、トルクメン人、バローチ人、ヌーリスターン人、アイマック人、アラブ人、キルギス人、カジルバシュ人、グジュル人、ブラーフーイー人など、多数の少数民族が存在します。このような多民族国家であることから、文化や伝統も地域ごとに異なり、豊かな社会的多様性を形成しています。
都市化率は26.9%(2023年)と低く、人口の大部分は農村部に居住しています。首都カブールは最大の都市で、人口は約458.9万人(2023年)です。
3.言語
アフガニスタンの公用語はダリー語(ペルシャ語の一方言)とパシュトー語の2つです。ダリー語は主に北部と西部、都市部で広く使用され、パシュトー語は南部と東部で主に話されています。また、ウズベク語、トルクメン語、バローチ語、パシャイ語、ヌーリスタン語など、多様な言語が国内で話されています。教育や行政ではダリー語とパシュトー語が主に使用されますが、上記のように多言語社会であるため、地域や民族によって使用言語が異なります。
4.主な産業
アフガニスタンの経済は主に農業に依存しており、労働力の約60%が農業セクターに従事しています。主要な農産物としては、小麦、トウモロコシ、米、大麦などの穀物類、そしてブドウ、ザクロ、アンズ、ナッツ類などの果物が挙げられます。特にザクロやアンズは高品質で知られ、輸出品としても重要です。また、鉱業資源も豊富で、鉄鉱石、銅、リチウム、希土類元素など、多様な鉱物資源が埋蔵されています。しかし、長年の紛争や政治的不安定さにより、経済発展は制約を受けています。
5.主な観光地
アフガニスタンは歴史的・文化的遺産が豊富で、多くの観光地があります。
■バーミヤン渓谷
バーミヤン渓谷は、かつて巨大な仏像が立ち並び、シルクロードの要所として栄えました。特に有名なのは、ジャームのミナレットとバーミヤンの仏像です。ジャームのミナレットは12世紀に建てられた高さ約65メートルの塔で、ユネスコの世界遺産に登録されています。バーミヤンの仏像は6世紀から7世紀にかけて彫られた巨大な仏像で、2001年にタリバン政権によって破壊されましたが、その遺跡は現在も訪れることができます。現在でも、ユネスコの世界遺産に登録されており、その遺跡群は訪れる人々に深い感銘を与えます。
■ヘラート
ヘラート市は中世イスラム建築の宝庫であり、フライデー・モスクやヘラート城などの歴史的建造物が残っています。
■カブール
カーブル市内には国立博物館があり、アフガニスタンの豊かな歴史と文化を物語る貴重な展示物が多数収蔵されています。
6.文化
アフガニスタンの文化は、多民族・多言語社会であることから、非常に多様性に富んでいます。音楽、舞踊、詩、工芸など、各民族が独自の伝統を持ち寄り、共存しています。特に詩は、古くから人々の生活に深く根付いており、ペルシャ語詩人のルーミーやハーフェズの作品は現在でも広く読まれています。また、手工芸品としては、カーペット、刺繍、金属細工、陶器などが有名で、伝統的なデザインと技法が受け継がれています。
7.スポーツ
アフガニスタンで最も人気のあるスポーツはクリケットとサッカーです。特にクリケットは、国内で急速に発展し、国際大会でも成果を上げています。アフガニスタン代表チームは、2001年に国際クリケット評議会(ICC)に加盟し、2017年にはテストマッチの正式メンバーとなりました。ワールドカップやアジアカップでは、強豪国と互角に戦うこともあり、国内での人気が高まっています。
一方、サッカーも長年にわたって愛されており、アフガニスタン代表チームは南アジアサッカー選手権(SAFF)で2013年に優勝を果たしました。国内リーグである「アフガニスタン・プレミアリーグ(APL)」も開催されており、若い世代を中心に競技人口が増えています。
また、伝統的なスポーツとして「ブズカシ」があります。これは中央アジアの遊牧民の間で古くから行われてきた競技で、騎馬による激しい試合が特徴です。ルールはシンプルで、馬に乗ったプレイヤーがヤギの死骸を奪い合い、ゴール地点まで運ぶというものです。アフガニスタンでは、ブズカシは単なるスポーツではなく、勇気や騎馬技術を示す場として重視されています。
8.日本との関係
アフガニスタンと日本の関係は、長年にわたり友好的なものとなっています。
■経済協力
日本はアフガニスタンの復興支援に積極的に関与しており、特にインフラ整備、医療、教育分野での協力が目立ちます。例えば、日本政府は2001年以降、アフガニスタンに対して累計約67億ドル(2023年時点)以上の援助を提供しており、道路建設、学校や病院の建設、人道支援活動などに貢献しています。
■安全保障
2001年の米国同時多発テロ以降、アフガニスタンが再びテロの温床とならないよう、日本は、国際社会と連携してアフガニスタンへの支援を行ってきました。特に、アフガニスタンの治安改善や麻薬対策能力の強化など、安全保障分野での支援を提供しています。
■文化交流
文化交流も進められており、日本の柔道や空手がアフガニスタンで人気を集めています。特に柔道は、国際大会に出場する選手も増えており、日本との交流を通じて技術向上が図られています。
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