|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
壬生忠岑『有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし』現代語訳と品詞分解 |
著作名:
走るメロス
39,904 views |
百人一首(30)
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
このテキストでは、百人一首に収録されている歌「有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし」のわかりやすい現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、古今和歌集にも収録されています。
原文
(※1)有明の (※2)つれなく見えし 別れより (※3)暁ばかり (※4)憂きものはなし
ひらがなでの読み方
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
現代語訳(口語訳)
(夜が明けても空に残っている)有明の月がそっけなく見えた。(同じように、あなたにそっけなく追い返された)その別れ以来、暁(夜明け前)ほどつらいものはない。
解説・鑑賞のしかた
この歌の詠み手は、三十六歌仙の一人、壬生忠岑(みぶ の ただみね)です。古今和歌集の撰者の一人としても知られています。子の壬生忠見も同じく三十六歌仙の一人です。
夜、女性のもとに遊びに行ったのに、「さっさと帰ってちょうだい」と冷淡に追い返されてしまった。仕方なく外へ出ると、有明の月までそっけない態度をとっているように思える。そんなことがあって以来、暁の時間帯が私にはつらく感じるのですよ。そんな男性の悲哀さを詠んだ歌といえます。
主な技法・単語・文法解説
■単語
(※1)有明 | 夜遅くに出て、朝まで残る月のこと |
(※2)つれなく | 「冷淡である、素知らぬ様子である」などと訳す。有明の月と女性の両方にかかっていると考えられる |
(※3)暁 | 「あかつき」と読む。夜明け前のまだ暗い時間帯 |
(※4)憂き | 「つらい、情けない」などと訳す |
品詞分解
※名詞は省略しています。
有明 | ー |
の | 格助詞 |
つれなく | ク活用の形容詞「つれなし」の連用形 |
見え | ヤ行下二段活用「みゆ」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
別れ | ー |
より | 格助詞 |
暁 | ー |
ばかり | 副助詞 |
憂き | ク活用の形容詞「うし」の連体形 |
もの | ー |
は | 係助詞 |
なし | ク活用の形容詞「なし」の終止形 |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
『世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる』 現代語訳と品詞分解・文法解説
>
枕草子『春はあけぼの』わかりやすい現代語訳と単語の意味
>
徒然草『花は盛りに』テストで出題されそうな問題
>
源氏物語 桐壺 その18 源氏、藤壺を思慕
>
『石見のや高角山の木の間より我が振る袖を妹見つらむか』現代語訳と解説・品詞分解
>
デイリーランキング