manapedia
更新日時:
『桜花散りぬる風のなごりには 水なき空に波ぞ立ちける』 現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
64,077 views
はじめに

このテキストでは、古今和歌集で詠まれている「桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける」という歌について説明していきます。

原文

桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける

現代語訳

風で桜の花が散ってしまった名残には、水のない空に波が立っているようだなぁ

解説・鑑賞のしかた

この歌は、紀貫之によって詠まれたものです。
現代語訳だけではわかりづらいと思うので、もう少し詳しく解説をします。まずは桜の花びらが散ってしまって、それが風で舞っている様子を想像してください。紀貫之はこの様子を、海で波が立っている様子と似ているととらえたのです。つまりこの歌は、空を海に、桜の花びらを波に見立てた光景を詠んだものと理解できます。

単語


なごり花の名残と波の余波(なごり)をかけている。余波は、風がしずまったあとに、まだしばらく立っている波のこと
空に舞っている桜の花びらを波に見立てている
ぞ立ちける「ぞ~ける」で係り結びの法則


品詞分解

※名詞は省略してあります。

桜花
散り(ラ行四段活用・連用形)
ぬる(完了の助動詞・連体形)

(格助詞)
なごり
(格助詞)
(係助詞)

なき(形容詞・ク活用・連体形)

(格助詞)

(係助詞)
立ち(タ行四段活用・連用形)
ける(詠嘆の助動詞・連体形)


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。