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『桜花散りぬる風のなごりには 水なき空に波ぞ立ちける』 現代語訳と品詞分解 |
著作名:
走るメロス
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『桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける』現代語訳と解説
このテキストでは、古今和歌集で詠まれている歌「桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける」のわかりやすい現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。
古今和歌集とは
古今和歌集(こきんわかしゅう)は、平安時代前期の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。
原文
桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける
ひらがなでの読み方
さくらばなちりぬるかぜのなごりには みずなきそらになみぞたちける
現代語訳
風で桜の花が散ってしまった名残には、水のない空に波が立っているようだなぁ
解説・鑑賞のしかた
この歌は、紀貫之が詠んだものです。
現代語訳だけではわかりづらいと思うので、もう少し詳しく解説をします。まずは桜の花びらが散り、風で舞っている様子を想像してください。紀貫之はこの様子を、海で波が立っている様子と似ているととらえたのです。つまりこの歌は、空を海に、桜の花びらを波に見立てた光景を詠んだものと理解できます。
単語
なごり | 花の名残と波の余波(なごり)をかけている。余波は、風がしずまったあとに、まだしばらく立っている波のこと |
波 | 空に舞っている桜の花びらを波に見立てている |
ぞ立ちける | 「ぞ~ける」で係り結びの法則 |
品詞分解
※名詞は省略してあります。
桜花 | ー |
散り | ラ行四段活用・連用形 |
ぬる | 完了の助動詞・連体形 |
風 | ー |
の | 格助詞 |
なごり | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
水 | ー |
なき | 形容詞・ク活用・連体形 |
空 | ー |
に | 格助詞 |
波 | ー |
ぞ | 係助詞 |
立ち | タ行四段活用・連用形 |
ける | 詠嘆の助動詞・連体形 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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