更新日時:
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源氏物語 桐壺 その15 読書始め |
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著作名:
春樹
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あくまでもイメージを掴む参考にして下さい。
今は内裏にのみさぶらひたまふ。七つになりたまへば、読書始めなどせさせたまひて、世に知らず聡う賢くおはすれば、あまり恐ろしきまで御覧ず。
「今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ。母君なくてだにらうたうしたまへ」とて、弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には、やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ。
いみじき武士、仇敵なりとも、見てはうち笑まれぬべきさまのしたまへれば、えさし放ちたまはず。女皇女たち二ところ、この御腹におはしませど、なずらひたまふべきだにぞなかりける。御方々も隠れたまはず、今よりなまめかしう恥づかしげにおはすれば、いとをかしううちとけぬ遊び種に、誰れも誰れも思ひきこえたまへり。
わざとの御学問はさるものにて、琴笛の音にも雲居を響かし、すべて言ひ続けば、ことごとしう、うたてぞなりぬべき人の御さまなりける
それからというもの、若宮は帝の近くにばかりいらっしゃいます。
七歳のときに書初め(読書)を始められると、若宮の類のない聡明さに帝は驚きになることも多々ありました。
「もうこの子を誰も憎むことはできないでしょう。母親がいないのだから可愛がってあげてください」と仰って、弘徽殿へも一緒に連れていかれ、御簾の中にまでもお入れになりました。
どんなに強い武士や仇敵であっても、この若宮を見ては自然に笑顔になるという程の美しさでしたので、弘徽殿の女御も可愛がらずにはいられませんでした。この女御は東宮のほかに二人の姫宮の母でもあったのですが、その姫宮よりも若宮の方がおきれいでした。姫宮たちも隠れることなく、若宮を賢い遊び相手として接していました。
若宮は、学問はもとより、音楽の才能にも優れており、まさに言葉通りの天才児であったといいます。
この文章は、若宮が幼い頃から学問や音楽の才能に恵まれ、その美しさや聡明さで帝や女御たちに可愛がられていたことを伝えています。
七歳の頃から、若宮は書初めを始め、その才能は驚くべきものでした。帝も彼女の才能に驚き、若宮がいると周りの人々も自然と笑顔になるといわれています。若宮が帝の近くにいると、その美しさや才能に惹かれた女御たちも、彼女を可愛がるようになりました。
帝は「もうこの子を誰も憎むことはできないでしょう。母親がいないのだから可愛がってあげてください」と言い、若宮を弘徽殿へと連れていきました。そこでは、御簾の中にまで入れられ、女御たちからも可愛がられるようになりました。若宮がいると、強い武士や仇敵でも、その美しさに魅了され、自然と笑顔になるといわれています。
若宮は学問や音楽にも優れており、まさに言葉通りの天才児でした。姫宮たちも若宮を遊び相手として接し、若宮は彼女たちにも大切にされていました。
以来、若宮は帝の側に常にいるようになりました。若宮の才能と美しさは、彼女が成長してからも、後世に語り継がれるほどのものでした。
今は内裏にのみさぶらひたまふ。七つになりたまへば、読書始めなどせさせたまひて、世に知らず聡う賢くおはすれば、あまり恐ろしきまで御覧ず。
「今は誰れも誰れもえ憎みたまはじ。母君なくてだにらうたうしたまへ」とて、弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には、やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ。
いみじき武士、仇敵なりとも、見てはうち笑まれぬべきさまのしたまへれば、えさし放ちたまはず。女皇女たち二ところ、この御腹におはしませど、なずらひたまふべきだにぞなかりける。御方々も隠れたまはず、今よりなまめかしう恥づかしげにおはすれば、いとをかしううちとけぬ遊び種に、誰れも誰れも思ひきこえたまへり。
わざとの御学問はさるものにて、琴笛の音にも雲居を響かし、すべて言ひ続けば、ことごとしう、うたてぞなりぬべき人の御さまなりける
それからというもの、若宮は帝の近くにばかりいらっしゃいます。
七歳のときに書初め(読書)を始められると、若宮の類のない聡明さに帝は驚きになることも多々ありました。
「もうこの子を誰も憎むことはできないでしょう。母親がいないのだから可愛がってあげてください」と仰って、弘徽殿へも一緒に連れていかれ、御簾の中にまでもお入れになりました。
どんなに強い武士や仇敵であっても、この若宮を見ては自然に笑顔になるという程の美しさでしたので、弘徽殿の女御も可愛がらずにはいられませんでした。この女御は東宮のほかに二人の姫宮の母でもあったのですが、その姫宮よりも若宮の方がおきれいでした。姫宮たちも隠れることなく、若宮を賢い遊び相手として接していました。
若宮は、学問はもとより、音楽の才能にも優れており、まさに言葉通りの天才児であったといいます。
この文章は、若宮が幼い頃から学問や音楽の才能に恵まれ、その美しさや聡明さで帝や女御たちに可愛がられていたことを伝えています。
七歳の頃から、若宮は書初めを始め、その才能は驚くべきものでした。帝も彼女の才能に驚き、若宮がいると周りの人々も自然と笑顔になるといわれています。若宮が帝の近くにいると、その美しさや才能に惹かれた女御たちも、彼女を可愛がるようになりました。
帝は「もうこの子を誰も憎むことはできないでしょう。母親がいないのだから可愛がってあげてください」と言い、若宮を弘徽殿へと連れていきました。そこでは、御簾の中にまで入れられ、女御たちからも可愛がられるようになりました。若宮がいると、強い武士や仇敵でも、その美しさに魅了され、自然と笑顔になるといわれています。
若宮は学問や音楽にも優れており、まさに言葉通りの天才児でした。姫宮たちも若宮を遊び相手として接し、若宮は彼女たちにも大切にされていました。
以来、若宮は帝の側に常にいるようになりました。若宮の才能と美しさは、彼女が成長してからも、後世に語り継がれるほどのものでした。
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