更新日時:
|
|
枕草子『香炉峰の雪』わかりやすい現代語訳と解説 |
|
著作名:
走るメロス
168,538 views |
このテキストでは、枕草子の一節「香炉峰の雪」(雪のいと高う降りたるを〜)の原文、わかりやすい現代語訳・口語訳とその解説を記しています。 書籍によっては「雪のいと高う降りたるを」と題するものもあるようです。
枕草子は清少納言によって書かれたとされる随筆です。清少納言は平安時代中期の作家・歌人で、一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。ちなみに枕草子は、兼好法師の『徒然草』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。
雪のいと(※1)高う降りたるを例ならず御格子まゐりて、(※2)炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらうに、
「少納言よ。(※3)香炉峰の雪いかならむ。」
と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑は(※4)せたまふ。人々も
「(※5)さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、(※6)この官の人にはさべきなめり。」
と言ふ。
雪がたいそう高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下げ申し上げて、火鉢に火をおこして、皆で話などをして集まってお仕え申し上げていると、(中宮定子様が、)
「清少納言よ。香炉峰の雪はどうであろうか。」
とおっしゃるので、(私は人に命じて)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮定子様は)お笑いになります。(周りにいた他の)女房も
「そのようなこと(香炉峰の雪のこと)は知っておりますし、歌などに詠むことまでありますが、(このように御簾を上げようとまでは)思いつきませんでした。(あなたは)やはり、この中宮のお側につく人にふさわしい人のようです。」
と言っています。
まず、清少納言は藤原定子(中宮すなわち皇后)に仕えていたということを覚えておきましょう。この定子は、枕草子に何度も登場してきます。
このストーリーは、定子を囲んで皆でお話をしていたときのことです。定子は清少納言の知識を試すために、「香炉峰の雪はどうなっているだろうか?」と質問をします。この香炉峰とは、中国の詩人白居易の詠んだ歌に出てくる山のことで、『香炉峰に積もった雪を、御簾を上げて眺める』という描写がされています。この一文を踏まえて清少納言は、部屋から見える山を香炉峰に見立てようと、下りていた御簾を上げさせたというわけです。
1ページ
|
前ページ
|
1/2 |
次ページ |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
「銀も金も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも」現代語訳と品詞分解
>
『むすぶ手のしずくににごる山の井の あかでも人に別れぬるかな』現代語訳と解説
>
『瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆ~』わかりやすい現代語訳と解説
>
枕草子の冒頭『春はあけぼのやうやう白く~』の現代語訳
>
『新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事』現代語訳と解説
>
最近見たテキスト
枕草子『香炉峰の雪』わかりやすい現代語訳と解説
10分前以内
|
>
|
中学国語
- 現代文
- 現代文:論説/評論文
- 現代文:小説
- 現代文:随筆
- 現代文:短歌/俳句
- 現代文:文法
- 現代文:文法
- 現代文:作家
- 現代文:作家
- 現代文:ことば
- 現代文:漢字/単語/熟語/ことわざ
- 現代文:その他
- 現代文:その他
- 古典:読み解き
- 古文:文章の訳/読み解き
- 漢文:文章の訳/読み解き
- 古典:文法
- 古文:文法
- 漢文:文法
- 古典:ことば
- 古文:単語/ことば
- 漢文:単語/ことば
- 古典の基礎知識
- 古文の基礎知識
- 漢文の基礎知識
- 古典:その他
- 古典:その他