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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「ポルトガル共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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ポルトガル共和国

ポルトガル共和国(以下「ポルトガル」、英語ではPortuguese Republic)は、、南ヨーロッパのイベリア半島の西端に位置する共和制国家です。首都はリスボンです。


このテキストでは、ポルトガルの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


国土

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ポルトガルは、イベリア半島の西端に位置する共和制国家であり、大西洋に面しています。国土面積は9万2,212平方キロメートル(2023年)で、日本の北海道と九州を合わせた面積とほぼ同等です。また、本土のほかに、大西洋上のマデイラ諸島とアゾレス諸島を領有しています。北と東でスペインと国境を接しています。

地形は、北部は山岳地帯が中心で、ドウロ川やミニョ川といった主要な河川が流れ、緑豊かな景観が広がっています。一方、南部は平野部が多く、テージョ川が国土を二分するように流れています。海岸線は全長1,793キロメートルに及び、美しい砂浜や岩場が点在しています。

気候は、北部は北大西洋海流の影響で比較的穏やかで降水量が多い海洋性気候です。一方、南部は地中海性気候で、夏は乾燥し、冬は温暖多湿な特徴があります。年間を通じて晴天日が多く、温暖な気候が農業や観光に適しています。


人口と人種

ポルトガルの人口は、2023年時点で約1,027万人です。近年、少子高齢化が進み、人口減少傾向にあります。人口密度は、国土面積に対して比較的低い水準にあります。

ポルトガルの人種構成は、歴史的にヨーロッパ系が大部分を占めますが、アフリカや南米からの移民も増加傾向にあります。特に、旧植民地であったアンゴラやモザンビーク、ブラジルからの移民が多く、多様な文化や習慣が混在しています。言語や習慣の面で共通点があることから、彼らは社会に比較的スムーズに統合されています。


言語

公用語はポルトガル語です。ポルトガル語は、ロマンス語派に属し、スペイン語やフランス語、イタリア語と多くの共通点を持っています。ポルトガル本国以外にも、ブラジル、アンゴラ、モザンビーク、東ティモールなど、旧植民地を中心とした国々で公用語とされており、世界のポルトガル語話者数は2億5,000万人を超えると推計されています。

文法や発音は、ブラジルポルトガル語と一部異なります。特に、ブラジルポルトガル語は母音を長く発音し、より開かれた音を持つ傾向があります。一方、ポルトガル本国では、母音を短く、子音を明瞭に発音する傾向があります。


主な産業

サービス業

ポルトガルの経済は、サービス業が中心であり、GDPの約75%を占めています(202年)。特に、観光業は重要な位置を占めています。温暖な気候、歴史的な街並み、美しい海岸線などが国内外の観光客を魅了し、多くの雇用を創出しています。

製造業

製造業では、自動車部品、繊維製品、コルク製品などが主要な輸出品です。特に、コルク製品は、世界の生産量の約半分をポルトガルが占めています。コルクは、建築材やワインの栓など幅広い用途に利用されており、ポルトガル経済に大きく貢献しています。

農業

農業分野では、ブドウ、オリーブ、穀物、柑橘類などが主に生産されています。ポルトガルはワインの一大生産地でもあり、ドウロ渓谷などで生産されるポートワインやマデイラワインは世界的に知られています。


主な観光地

リスボン

ポルトガルの首都であり、テージョ川の河口に位置する歴史的な都市です。丘陵地帯に広がる街並みは、狭い坂道やカラフルな建物が特徴です。ベレンの塔やジェロニモス修道院は、大航海時代の栄華を物語る世界遺産です。また、レトロな路面電車が街を走り、リスボン特有の雰囲気を醸し出しています。

ポルト

ドウロ川の河口に位置する第二の都市です。古い街並みが世界遺産に登録されており、ドウロ川を挟んで対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアには、ポートワインの醸造所が立ち並んでいます。

シントラ

リスボンの近郊に位置する山間部の町で、美しい宮殿や庭園が点在しています。特に、ペーナ宮殿はカラフルな外観とロマンティックな雰囲気が特徴的で、多くの観光客を魅了しています。

アルガルヴェ地方

ポルトガル南部の沿岸地方で、美しい砂浜や断崖絶壁が広がり、リゾート地として知られています。温暖な気候と豊かな自然は、ゴルフやマリンスポーツなどのレジャーに適しています。


文化

ポルトガル文化は、ケルトやローマ、イスラム文化、さらには大航海時代に交流した様々な国々の文化が混ざり合って形成されています。

建築

ロマネスク様式、ゴシック様式、マヌエル様式など、多様な様式が見られます。特に、マヌエル様式は、大航海時代に繁栄したポルトガル独自の建築様式で、貝殻やロープといった海を連想させる装飾が特徴です。

音楽

ファドと呼ばれる独特な歌謡が広く親しまれています。ファドは、人生の悲哀や郷愁を表現するもので、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

食文化

魚介類を豊富に用いることが特徴です。タラの塩漬けを戻して調理する「バカリャウ」は国民食として広く親しまれています。また、ポルトガル発祥のエッグタルト「パステル・デ・ナタ」は、世界中で人気のあるデザートです。


スポーツ

ポルトガルで最も人気のあるスポーツはサッカーです。国内外で多くのファンを持ち、代表チームは国際大会で活躍しています。クリスティアーノ・ロナウドやルイス・フィーゴなど、世界的なスター選手を輩出していることでも知られています。

その他、ハンドボール、バスケットボール、ローラーホッケーなども盛んです。ローラーホッケーは特に強く、世界選手権で何度も優勝しています。


日本との関係

日本とポルトガルの関係は、16世紀にポルトガル人が種子島に漂着し、鉄砲を伝えたことから始まりました。これは、日本とヨーロッパの最初の接触であり、以降、貿易や宣教を通じて密接な関係を築きました。

現在も、経済、文化、人的交流など幅広い分野で交流が続いています。特に、カステラや天ぷらなど、ポルトガルからもたらされた食文化は、日本の食生活に深く根付いています。また、日本の大学ではポルトガル語の講座が開設されており、両国の文化理解が深まっています。
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CIA World Factbook
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