新規登録 ログイン

5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「トンガ王国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
Text_level_1
マイリストに追加
トンガ王国

トンガ王国(以下「トンガ」、英語ではKingdom of Tonga)は、南太平洋のポリネシアに位置する島嶼国家です。首都はヌクアロファです。

このテキストでは、トンガの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1. 国土

ALT

トンガ王国は、南太平洋に位置する約170の島々からなる島嶼国家です。これらの島々のうち、人が居住しているのは約36島とされています。国土の総面積は747平方キロメートルであり、その大部分は海洋によって占められています。緯度15度から23度、経度173度から177度の範囲に広がるトンガは、ニュージーランドの北東約2,000キロメートル、フィジーの南東約800キロメートルに位置しています。

トンガは、大きく4つの主要な諸島グループに分かれています。最も南に位置するトンガタプ諸島は、首都ヌクアロファが所在し、人口と経済活動の中心地です。中央部に位置するハアパイ諸島は、比較的平坦な地形が特徴です。さらに北には、火山島が多く、険しい地形を持つヴァヴァウ諸島があります。最も北に位置するニウアス諸島は、主にニウアフォオウ島とニウアトプタプ島の2つの火山島から構成されています。

トンガの地形は、これらの諸島グループによって多様です。トンガタプ島のようなサンゴ礁からなる島々は比較的平坦で、肥沃な土地が広がっています。一方、ヴァヴァウ諸島やニウアス諸島に代表される火山島は、急峻な地形や、美しい入り江を持つ自然の港が形成されています。トンガには、活火山であるカオ島やトフア島などがあり、太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界に位置する「環太平洋火山帯」の一部を構成しています。

気候は熱帯性気候で、年間を通じて温暖です。乾季は5月から10月、雨季は11月から4月です。年間の平均気温は23℃から27℃の間で、降水量は豊富です。特に雨季にはサイクロンが発生することがあります。


2. 人口と人種

トンガの人口は、2023年時点のデータで約10万6千人です。この人口は、トンガタプ島に最も集中しており、首都ヌクアロファには全人口の約70%が居住しています。人口の大部分を占めるのは、ポリネシア系の民族であるトンガ人です。その他、ヨーロッパ系、中国系、インド系などの人々も少数ながら居住しています。

人口動態を見ると、出生率は比較的高い一方で、国外への移住も多く見られます。特に、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ合衆国といった国々への移住が一般的です。このため、国外に居住するトンガ人は、国内の人口を上回るとも言われています。

年齢構成は、若年層の割合が高いという特徴があります。これは、出生率の高さと、若者の国外移住が主な要因です。性別構成は、男女比に大きな偏りはありません。


3. 言語

トンガの公用語は、トンガ語と英語です。国民の大部分はトンガ語を母語としており、日常会話で広く使用されています。トンガ語は、ハワイ語やサモア語などと同じポリネシア語群に属しており、オーストロネシア語族の一員です。

英語は、教育、政府、ビジネスの分野で広く使用されています。学校教育は、初等教育から英語で行われることが多く、国民の多くは英語を理解し、話すことができます。特に、観光業や国際的な取引においては、英語が主要なコミュニケーションツールとなっています。


4. 主な産業

トンガの経済は、主に農業、漁業、そして海外からの送金に依存しています。

農業

GDPの約20%を占める農業は、主要な産業の一つです。主な農産物には、カボチャ、バニラ豆、タロイモ、サツマイモ、キャッサバ、バナナなどがあります。特にカボチャは、日本への輸出が盛んであり、トンガの主要な輸出品目の一つです。バニラ豆も、世界の市場で高く評価されています。

漁業

漁業も重要な産業であり、トンガ近海で獲れるマグロやカツオなどが主な漁獲物です。漁業は、国内消費だけでなく、輸出にも貢献しています。

観光業

観光業は、トンガの経済において成長が見込まれる分野です。美しい自然景観や文化に惹かれ、多くの観光客が訪れています。特に、ホエールウォッチングやダイビングは、人気の高いアクティビティです。

送金

海外に居住するトンガ人からの送金は、トンガの経済を支える上で非常に重要な役割を果たしています。この送金は、GDPの約30%を占めるとも言われています。


5. 主な観光地

トンガの観光は、自然と文化に焦点を当てています。

トンガタプ島

首都ヌクアロファが所在するこの島には、王宮や、トゥイ・トンガの墓地であるラフィ・ラフィ・トンガなど、歴史的な見どころがあります。また、島の南西には、波によって吹き上げられる潮吹き穴「フンガ・ルンガ・ルンガ」があり、自然のダイナミックな景観を楽しむことができます。

ヴァヴァウ諸島

美しい入り江とサンゴ礁に囲まれたこの諸島は、特にボートセーリングやホエールウォッチングで知られています。毎年7月から10月にかけて、ザトウクジラが繁殖と子育てのためにトンガの海にやってきます。この時期には、ホエールウォッチングツアーが盛んに行われます。

ハアパイ諸島

手つかずの自然が残るハアパイ諸島は、静かなビーチでリラックスしたい観光客に適しています。この諸島は、特にエコツーリズムに関心のある人々に人気があります。


6. 文化

トンガの文化は、ポリネシアの伝統を色濃く反映しています。社会は王制を中心とした階層構造を持ち、王室は国民から敬意を払われています。

衣装

トンガの伝統的な衣装である「タオヴァラ」は、腰に巻く敷物であり、冠婚葬祭などの正式な場で着用されます。これは、身分や階級を示す役割も果たしています。

踊り

伝統的な踊りである「ラカ・ラカ」や「マ・ウ・ル・ウル」は、歴史や神話を伝える重要な文化的表現です。これらの踊りは、儀式や祭りなどで披露されます。

食文化

食文化では、タロイモ、サツマイモ、キャッサバといった根菜が主食です。豚肉や魚介類もよく食べられます。地面に掘った穴で食材を蒸し焼きにする「ウム」という調理法は、トンガの伝統的な料理法の一つです。


7. スポーツ

トンガで最も人気のあるスポーツは、ラグビーユニオンです。トンガ代表チームは、「イカレ・トンガ」の愛称で親しまれ、ラグビーワールドカップにも定期的に出場しています。多くのトンガ人選手が、ニュージーランドやオーストラリアなど、海外のプロリーグで活躍しています。

ラグビーリーグも人気があり、トンガ代表チームは国際大会で好成績を収めています。その他、サッカー、バスケットボール、バレーボールも広く親しまれています。


8. 日本との関係

日本とトンガは、長年にわたり友好関係を築いています。1970年のトンガ独立以来、外交関係が継続しており、日本はトンガに対して様々な支援を行っています。

日本は、政府開発援助(ODA)を通じて、トンガのインフラ整備、教育、医療、災害対策などの分野で協力しています。例えば、漁港の整備や学校の建設、災害対策のための機材供与などが挙げられます。

経済面では、トンガは日本に対してカボチャや魚介類を輸出しており、特にカボチャはトンガの主要な輸出品目となっています。

文化交流も盛んであり、日本からのボランティアがトンガで活動したり、トンガ人留学生が日本で学んだりする機会が設けられています。また、日本の海上自衛隊の艦艇がトンガに寄港するなど、防衛交流も行われています。

スポーツ分野でも交流があり、ラグビーをはじめとするスポーツを通じて、両国の関係が深まっています。
Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
世界銀行 (World Bank)
CIA World Factbook
外務省

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 1,851 pt 
 役に立った数 0 pt 
 う〜ん数 0 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。