大宛（フェルガナ）とは
大宛は、紀元前130年頃、中央アジアに存在した3つの先進文明の一つで、中国の歴史書『漢書』によると、パルティア、バクトリアと並ぶ文明でした。大宛は、現在のタジキスタンのフェルガナ盆地にあたり、中国の探検家張騫が紀元前130年に訪れた際や、その後の多くの使節団が中央アジアに派遣された際の記録に登場します。この地域は、アレクサンドリア・エスハテ（現在のフジャンド）というヘレニズム都市国家によって支配されていました。
前漢の武帝が汗血馬を求めて、将軍李広利を派遣しました。
大宛の人々は、ヨーロッパの特徴を持つ都市住民として描かれ、城壁に囲まれた都市に住み、当時の北アフガニスタンを支配していたヘレニズム王国であるバクトリアの「風習と同じ」とされています。また、彼らはワインの製造と愛好で知られていました。大宛の人々は、ペルシャ帝国によって強制的に移住させられたギリシャ人の子孫であり、アレクサンドロス大王によって紀元前329年にフェルガナに定住させられたギリシャ人の植民者たちが繁栄しました。しかし、紀元前160年頃の月氏の移動や紀元前140年のスキタイ人の侵入によって孤立しました。
「大宛」という名前は、アジアでギリシャ人（「イオニア人」）を指すために使われたサンスクリット語のヤヴァナやパーリ語のヨーナの音訳であり、「大イオニア人」を意味していました。紀元前100年頃、大宛は漢王朝に攻撃され、その後敗北しました。大宛と中国の交流は歴史的に重要であり、中央アジアの都市化された文明と中国文明との間の最初の主要な接触の一つとして位置づけられています。これは、紀元前1世紀から15世紀にかけて東西の物質的・文化的交流の道となるシルクロードの形成へと繋がる道を開いたのです。
