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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「アルゼンチン共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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アルゼンチン共和国

アルゼンチン共和国(英語ではArgentine Republic)は、南アメリカ大陸南部に位置する連邦共和制国家です。

このテキストでは、アルゼンチン共和国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

1.国土

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アルゼンチン共和国は南アメリカ南部に位置し、南米で2番目に広い国土を誇ります(面積は約278万平方キロメートル。世界では第8位の大きさ。)北はボリビアやパラグアイ、西はチリ、東はブラジルやウルグアイ、そして南東は大西洋に面しています。この多様な地形には、アンデス山脈、パンパと呼ばれる広大な平野、そして南極圏にも近いパタゴニア地方が含まれます。アルゼンチンの自然はその広がりと多様性が特徴で、気候も亜熱帯から極地まで多岐にわたります。首都はブエノスアイレスです。


2.人口と人種

アルゼンチンの人口は約4,600万人(2024年)で、その大半が都市部に居住しています。首都ブエノスアイレスは、1500万人以上をが住む、南米最大級の都市の一つです。アルゼンチンの人々は、主にスペインやイタリアを祖先に持つヨーロッパ系移民の子孫が多く、他にもドイツ、フランス、イギリス系移民も見られます。また、南米特有の先住民族も存在し、少数ながらアジア系やアフリカ系の人々もいます​。


3.言語

アルゼンチンの公用語はスペイン語です。アルゼンチンのスペイン語は「リオプラテンセ」と呼ばれる独自の方言が発展し、エスパニョール(ヨーロッパで話されるスペイン語のこと)ではなくカステジャーノと呼ばれます。また、ブエノスアイレス周辺では、イタリアのナポリの方言の影響を強くうけたアクセントとなっています。その他には英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、先住民言語などが話されています。


4.主な産業

ルゼンチン経済は農業を基盤にしており、大豆やとうもろこし、牛肉などの農産物輸出が主要な収入源です。さらに、工業部門も発展しており、特に自動車や化学製品の製造が盛んです。また、鉱業やエネルギー資源にも恵まれており、近年、リチウムや石油の生産も重要な産業となっています。



5.主な観光地

イグアスの滝は世界的にも有名で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。また、南部のパタゴニア地方は氷河や山岳地帯が広がり、アウトドア活動が楽しめるエリアです。特に最南端にあるウシュアイアは、南極大陸やフォークランド諸島への観光船が出航する街として知られています。


6.文化

アルゼンチンはヨーロッパからの影響を強く受けており、特にブエノスアイレスは、南米で最もヨーロッパ的な都市だと言われています。アルゼンチン文化は、ヨーロッパの文化と先住民族の文化の融合によって生まれた多彩な伝統が特徴です。

音楽

音楽やダンスでは、アルゼンチンタンゴがアルゼンチンを代表する文化として知られています。タンゴは19世紀末にブエノスアイレスで誕生し、もともとは都市の労働者階級の間で発展しましたが、後に中流・上流階級にも広がり、国際的な人気を博しました。タンゴのリズムと歌詞は、情熱的で哀愁を帯びたものが多く、愛や失恋、社会的な苦境を歌っています。代表的な作曲家には、アストル・ピアソラがいます。彼は、伝統的なタンゴにジャズやクラシックの要素を取り入れ、タンゴの新しいスタイル「ヌエボ・タンゴ」を確立しました。

また、アルゼンチンにはフォルクローレと呼ばれる地方音楽も根強く残っており、アンデス地方の音楽(チャランゴやケーナなどの伝統楽器を用いる)や、広大なパンパ地方のギターベースの音楽が代表的です

文学

アルゼンチンの文学は、特に20世紀に世界的な評価を得ました。ホルヘ・ルイス・ボルヘスは、アルゼンチン文学を代表する作家で、短編小説、詩、エッセイで知られています。彼の作品は哲学的なテーマや幻想的な要素を含み、時空間の概念を超えた複雑な構造を持つことで知られています。例えば『バベルの図書館』や『伝奇集』といった作品は、知識や無限性をテーマにしています。

他の著名な作家には、フリオ・コルタサルがいます。彼は短編小説や長編小説で知られ、『石蹴り遊び(Rayuela)』という作品が特に有名で、現代文学の革命的な試みとされています。彼の作品は、現実と幻想の境界が曖昧な「マジックリアリズム」の要素を持っています

食文化

アルゼンチン料理は、その多くがヨーロッパ、特にイタリアやスペインからの移民の影響を受けており、ポザやパスタが日常的に食べられています。アルゼンチン独自の料理の中で特に最も有名なのが「アサード」です。アサードは炭火焼きのバーベキューで、アルゼンチンの文化的な象徴とも言える食事です。牛肉が主要な食材として使われ、リブや腸詰め(チョリソー)、血のソーセージ(モリシージャ)などがグリルされます。家族や友人と集まり、ゆったりとした時間を楽しむアサードは、アルゼンチンの社交文化の一部です。

また、エンパナーダも人気の料理で、これは肉やチーズ、野菜などを詰めたパイです。各地域によって具材や調理法が異なり、多様なバリエーションがあります。


7.スポーツ

アルゼンチンといえば、サッカーの国として広く知られています。特に、ディエゴ・マラドーナやリオネル・メッシのような伝説的な選手を輩出してきました。国内リーグは活発で、国際大会でも常に優勝候補の一角を担っています。さらに、ラグビーやバスケットボール、テニスも人気があり、これらの競技でも世界的に活躍する選手が多くいます​。



8.日本との関係

経済協力

日本はアルゼンチンの主要な貿易相手国の一つであり、主にアルゼンチンからは農産物(大豆、とうもろこし、小麦など)が輸出され、日本からは自動車や機械部品、電子機器が輸出されています。近年はリチウムなどの資源関連の輸出も拡大しており、再生可能エネルギーや鉱業での協力が進んでいます。


技術協力

JICA(国際協力機構)を通じて、農業技術の改善や環境保護に関するプロジェクトが進められています。例えば、日本の技術はアルゼンチンの灌漑技術や農業機械の改良に大きく貢献し、持続可能な農業生産の実現に役立っています。また、アルゼンチンの自然災害対策や水管理システムの改善にも、日本の技術支援が役立っています。

さらに、2018年には「日本・アルゼンチン経済連携協定」が締結され、経済や技術面での関係強化が進んでいます。この協定は、貿易と投資の促進だけでなく、両国間の技術移転や知的財産の保護を推進する枠組みとなっています。

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CIA World Factbook
世界銀行 (World Bank)
国際連合 (UN) 公式サイト
日本の外務省サイト

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