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柳宗元『捕蛇者説(悍吏之来吾郷〜)』現代語訳(口語訳)・書き下し文と解説
著作名: 走るメロス
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現代語訳(口語訳)

横暴な役人が私の村に来ると、あちらこちらで怒鳴り散らし、あちらこちらで(物に)当たらり散らします。
やかましく騒がしく驚く様子は、鶏や犬でさえも落ち着いていられないほどです。
(そんな中)私はびくびくしながら起き上がり、(捕えた)ヘビをいれてある器をみて私のヘビが生きていれば、安心して横になって(再度)寝ることができます。
慎重にヘビを育て、時が来たらこれを(税として)献上します。
(家に)戻って土地から取れた物をおいしくいただき、そのようにして自分の寿命を終えるのです。
そもそも1年の間に死の危険と向き合うことは2回です。
それ以外の時にはなごやかに楽しく暮らします。
どうして村の近所の人たちが毎日苦しんでいるのと同じと言えましょうか、いや言えません。
いまこの仕事で死んだとしても、私の村の近所の人たちの死に方に比べれば、すでに(私の死期は彼らよりも)遅れているのです。
どうして(この仕事を)苦痛としましょうか、いやしません。



私はこの話を聞いてますます悲しくなりました。
孔子が(かつて)言いました。


私は以前これ(孔子の言葉)を疑っていました。
(しかし)今、蒋氏の話をもってこれ(孔子の言葉)を考えてみると、やはり(孔子の言葉は)真実でした。
ああ、誰が、税の取り立てがこのヘビの毒よりも甚だしいということを知っていましょうか、いや知らないでしょう。
そのために(私は)この「捕蛇者の説」を記し、あの為政者が手に入れて(実情をしって政策を改善して)くれることを待つのです。

単語・文法解説

悍吏横暴な役人
叫囂大声をあげて叫ぶ、怒鳴り散らす
隳突当たり散らす
譁然やかましく騒ぐ様
恂恂恐る恐る、びくびく
弛然安心して、のんびりとして
熙熙なごやかである様
「豈A哉」で反語を表し「どうしてA(し)ようか、いやA(し)ない」と訳す
ますます
孰知「孰A乎」で反語を表し「誰がA(し)ようか、いや誰もA(し)ない」と訳す
賦斂税を取り立てること





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