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『杜子春伝(杜子春者、蓋周隋閒人〜)』書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説 |
著作名:
走るメロス
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『杜子春伝』
ここでは中国の小説集「続玄怪録」の中の『杜子春伝』の「杜子春者、蓋周隋閒人〜」から始まる部分の書き下し文、現代語訳とその解説を行っています。
白文(原文)
杜子春者、蓋周隋間人。
少落拓、不事家産。
然以志気間曠、縦酒間遊、資産蕩尽。
投於親故、皆以不事事棄。
方冬、衣破腹空、徒行長安中。
日晩未食、彷徨不知所往。
於東市西門、饑寒之色可掬。
仰天長吁。
書き下し文
杜子春は、蓋(けだ)し周・隋の間の人ならん。
少(わか)くして落拓、家産を事とせず。
然して志気間曠(かんこう)にして、酒を縦(ほしいまま)にして間遊するを以て、資産蕩尽す。
親故に投ずるも、皆事を事とせざるを以て棄てらる。
冬に方(あ)たり、衣破れ腹空しくして、長安中を徒行す。
日晩(く)れて未だ食せず、彷徨(ほうこう)して往く所を知らず。
東市の西門に於いて、饑寒(きかん)の色掬すべし。
天を仰ぎて長吁(ちょうく)す。
現代語訳
杜子春は、思うに周から随の時代の間の人だったでしょうか。
若いころから細かいことにはこだわらずに、家業にも精を出しませんでした。
それにもかかわらず、志は高く、酒を思うままに飲んで遊びまわっていたので、財産を使い果たしてしまいました。
親戚や旧友に頼ってきましたが、皆からは、仕事をしないために見放されてしまいました。
冬となって、(杜子春の)衣服は破れ、お腹をすかせながら、長安の街中を歩いていました。
日は暮れていましたが食事にはありつけず、さまよい、どこに行ったらよいかもわからずにいました。
東の市場の西門に着いた頃には、飢えて寒さに凍える様子が見えてとれました。
天を仰いで深くため息をついていました。
単語・文法解説
蓋周隋間人 | 「蓋A」で「思うにAでしょうか」と推量を表す |
落拓 | 細かいことにこだわらない |
蕩尽 | 使い果たすこと |
親故 | 親戚や旧友 |
彷徨 | さまようこと |
未食 | 「未」は再読文字。「未A」で「いまだA(せ)ず」と読み、「まだA(し)ない」と訳す |
饑寒 | 食べ物がなく寒さに凍えること |
長吁 | 深いため息をつくこと |
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