論語『子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎』の原文・現代語訳と解説
このテキストでは、
論語の一節『
子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎』で始まる文の原文(白文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
白文(原文)と書き下し文
子貢問曰、
子貢問ひて曰はく、
「有一言而可以終身行之者乎。」
「一言にして以つて終身之を行ふべき者有りや。」と。
子曰、
子曰はく、
「其恕乎。己所不欲、勿施於人。」
「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。」と。
現代語訳(口語訳)
子貢問ひて曰はく、
子貢が質問して言うことには、
「一言にして以つて終身之を行ふべき者有りや。」と。
「一言、生涯貫き通すべき言葉はありますか。」と。
子曰はく、
孔子先生がおっしゃることには、
「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。」と。
「それは恕(思いやりの心)であろうか。自分がしてほしくないことは、他人にもしてはならない。」と。
単語解説
| 終身 | 生涯 |
| 恕 | 人の立場や心情を察する心。思いやりの心 |
| 勿施於人 | 「勿」は禁止を表す言葉。「於」は置き字 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。