三角形の内心の性質
三角形の3つの内角それぞれの二等分線は、1点で交わる
このテキストでは、この定理を証明します。
証明
△ABCにおいて、下図のように、∠ABCと∠ACBの交点をOとする。Oから辺BC、辺CA、辺ABにそれぞれ垂直に線をひき、その交点をD、E、Fとする。
まず、△FBOと△DBOについて考える。
線分BOは∠FBDの二等分線なので、
∠FBO=∠DBO -①
また、
∠OFB=∠ODB=90° -②
△FBOにおいて
∠BOF=180°-(∠FBO+90°) -③
△DBOにおいて
∠BOD=180°-(∠DBO+90°) -④
①、②、③、④から
∠FOB=∠DOB
であることがわかった。
つまり、△FBOと△DBOは、
1つの辺(辺BO)とその両端の角の大きさが等しいことから
合同であると言える。
(
※三角形の合同条件)
このことから、
OF=OD -⑤
となることがわかる。
△CEOと△CDOにおいても同様にして
OE=OD -⑥
であることがわかる。⑤と⑥から
OF=OE
であることもわかる。
つまり、△AFOと△AEOにおいて、斜辺の長さ(AO)とその他の1辺の長さが等しい(OF=OE)ことから、△AFOと△AEOは合同であると言える。
(
※直角三角形の合同条件)
つまり
∠FAO=∠EAOなので、AOは∠FAEも二等分することがわかる。
以上のことから、「三角形の3つの内角それぞれの二等分線は、1点で交わる」ことが証明できた。
証明おわり。