蒸発≠沸騰
やかん(鍋でもいいですが)に水を入れてふつふつと熱したとき、温度が上がるにつれて、だんだんと蒸気があがってきます。さらに熱を加えると蒸発がすすんでぐつぐつと煮立った状態になりますよね。このような現象のことを
沸騰と言います。
よく勘違いされる方がいるのですが、
蒸発は必ずしも沸騰しなければ起こらないというわけではないです。
例えば、濡れた洗濯物をそとで干しているとき、洗濯物はだんだんと乾いていきますよね。これは洗濯物についていた水(液体)が、だんだんと蒸発をして水蒸気(気体)となってとんでいくことによって起こっています。これも立派な蒸発ですが、
洗濯物が100℃(水の沸点)になったわけではありませんよね。
このように
蒸発は必ずしも沸騰しなければ起こらない、というわけではない
ことが理解いただけたと思います。
水は100℃以下でも沸騰する?
さて、少し話がそれましたが本題にうつりましょう。
「水は100℃以下でも沸騰するでしょうか?それともしないでしょうか」
自分の頭で答えを出してから次に進んでくださいね。
答えは、「
沸騰する」です。
「中学校のときに水は100℃で沸騰するって習ったよー!」って人もいらっしゃるでしょう。水が100℃以下で沸騰するためには、もちろん条件が必要です。
水が沸騰するための条件
私たちが普段生活している場所は、1気圧という気圧の強さがかかっていると考えられています。この1気圧の状態にあるとき、水は100℃で沸騰します。
つまり、
気圧の強さによっては100℃以下で沸騰するシチュエーションもあれば、100℃を超えても水が沸騰しない場合もあるというわけです。
このグラフは
水蒸気圧曲線と言って、
液体が何気圧のときに沸騰するのかを表したグラフです。このグラフでは水の沸点を表しています。(縦軸が気圧、横軸が温度です。)
縦軸が1気圧のとき、温度は100℃を指していますね。つまり、1気圧のとき水は100℃で沸騰するということになります。つまり1気圧よりも小さい気圧のとき(例えば富士山の山頂など高度が高い場所)は、沸点が下がり、100℃以下でも沸騰するということになります。
では問題です。「
0.25気圧のとき水の沸点は何度になるでしょうか?」
答えは
60℃ですね。
グラフの見方はわかりましたか?水だけでなく様々な物質の水蒸気圧曲線が登場してきますので、しっかりとよめるようになっておきましょう!