選挙の歴史
近代日本で初めて選挙制度ができあがったのは1889年です。
当時はすべての国民に参政権が与えられていたわけではなく、
直接国税15円以上を納める満25歳以上の男子にのみ参政権が認められていました。
その後何度も制度が見直され、現在の満20歳以上のすべての男女に選挙権が与えられるようになったのは戦後の1945年になります。
ここでは衆議院の選挙の方式についてみてみましょう。
小選挙区比例代表並立制
現在、衆議院では、
小選挙区比例代表並立制という選挙方法が用いられています。これは
小選挙区制度と
比例代表制度という2つの制度を並行して行う方法です。
■小選挙区制度
小選挙区制度は、1つの選挙区につき1名を当選させる制度です。
メリットは、1つの選挙区から1人しか当選ができないために、力の強い政党が勝利しやすく、
政局が安定しやすい点、そして世論の支持のある政党の議員が当選しやすく
民意を反映しやすいという点です。デメリットとは、力の弱い少数政党が圧倒的に不利である点です。これによって
死票がでてきてしまいます。
■比例代表制度
比例代表制度は、政党の獲得した票数に応じてその選挙区で何人当選できるかが決まる制度です。
ドント方式という計算方法で各政党の当選人数を決定します。
メリットは、人ではなく政党に投票をするために、小選挙区制度のデメリットであった
死票をなくすことができるという点です。デメリットは、
候補者が選べないという点です。「あの政党の政策は好きだけど、この候補者には当選してほしくない」というような民意がうまく反映できない現状があります。