選挙区制度では、自分の選挙区から立候補した候補者の名前で投票
比例代表制度では、政党、もしくは候補者の名前で投票
参議院議員選挙の仕組み
ここでは、参議院議員通常選挙の仕組みについてみてみましょう。
参議院の選挙は3年に1回
参議院の選挙は衆議院の選挙とは異なり、行われる年が決まっています。このことは、
日本国憲法の第46条に、次のように決められています。
参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
つまり衆議院のように解散のない参議院では、6年間議員として勤めることが保証されているということ。そして参議院は2つのグループにわかれていて、3年おきに片方のグループを対象とした選挙を行うとなっているんですね。
このために2013年に行われる参議院選挙では、2007年に当選した議員を対象に選挙が行われ、そして2016年の選挙では、2010年に当選した議員を対象に選挙が行われることになります。
時期が決まっているために、参議院の選挙のことを参議院議員
通常選挙と呼びます。議員全員が選挙の対象となる衆議院
総選挙とは呼び方がちがうので覚えておきましょう。
参議院議員通常選挙の選挙方式
参議院選挙では、2つの選挙制度があわさっています。
選挙区制度と
比例代表制度です。ちなみに
選挙区制度と比例代表制度の2つに重複で立候補をすることはできません。
■選挙区制度
衆議院選挙の場合、選挙区は全国で細かくわけられて、
1つの選挙区からは1人しか当選できない小選挙区制度が採用されています。しかし参議院では、選挙区は
1県につき1つで、その選挙区の中から複数名(または1名)が当選するかたちとなっています。
東京や大阪などの人口の多い選挙区では、当選できる人数が5人や4人と多く、人口の少ない県では1選挙区あたり1人しか当選できないように定数が決められています。
選挙区制度では、有権者は、
立候補した人の名前を投票用紙に書いて投票を行います。
■比例代表制度
衆議院選挙では、政党の名前を書いて投票を行い、政党が獲得した票の割合に応じて当選者を決める方式が行われています。各政党は選挙の前に、候補者に「1~○○」と順番をつけて名簿を作ります。例えば5席獲得したとしたら、上から順番に5人を当選させる、こういう仕組みです。あらかじめ名簿をつくっておく方式を、
拘束名簿式と言います。
参議院の比例代表制度は少し異なります。まず各政党は、候補者に順番をつけません。そして有権者は、
比例代表で立候補した候補者の名前、もしくは応援する政党名を投票用紙に書きます。
候補者が獲得した票、これによって各政党での候補者のランキングが決まります。
票を多く獲得した候補者が、先に当選する権利を得るというわけですね。衆議院選挙では、あらかじめ各政党が名簿を用意するのに対し、参議院選挙では獲得した投票によって名簿が作られるということです。あらかじめ名簿を作っていないので、この方式のことを
非拘束名簿式と言います。
そして、「
候補者が獲得した投票数+政党が獲得した投票数」によって、どの党に何パーセントの議席が割りふられるかが決定します。(
ドント方式という計算方法を用います)。割りふられた議席の数に応じて、先ほど作成した名簿順に当選者が決まっていくことになるのです。
■非拘束名簿式のメリット
衆議院選挙における拘束名簿式では、各政党に投票するしか方法がありません。しかし非拘束名簿式では、政党への投票はもちろん、候補者に直接投票ができるために、各政党の名簿の作成に有権者が参加することができます。
■非拘束名簿式のデメリット
一方で、タレントや元スポーツ選手といった知名度をもつ候補者が票を集めやすい傾向があることから、候補者1人で他の候補者の分の票をかせぐことも起こります。このために、どの政党も知名度が高い候補者を乱立する傾向にあります。
個人で多くの票を獲得しても、政党が票を獲得できないことで落選することがある一方で、政党票を多く獲得した党の候補者は、自分の獲得投票数が少なくても当選できることもあり、有権者の意見がきちんと反映されていないのではないかという声もあります。
選挙区では、自分の選挙区から立候補した候補者の名前で投票
比例代表制度では、応援する政党、もしくは候補者の名前で投票