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10_80 古典常識 / 古典常識

よく登場する歴史書(史伝)

著者名: 春樹
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はじめに

ここでは、漢文によく登場してくる歴史書についてまとめています。
春秋

基本経典とされる5種類の経書の総称を五経といいますが、そのうちの1つです。
もともとは春秋時代の魯の国の歴史について書かれた歴史書で、それに孔子が手を加えたものではないかとされています。

「春秋」とは、古代中国の東周時代の前半(紀元前770年から紀元前476年)に編まれた歴史書であり、編年体の形式をとっています。この書物は孔子が制作に携わったとされ、儒教経典の一つとしても知られています。周王朝の封建制が崩壊して諸侯国が争い合った時代の出来事を簡潔にまとめたものであり、孔子の思想や理念が表現された言葉が散りばめられているとされています。ただし、「春秋」は現在、単独の文献としては残っていません。後世に書かれた注釈書がいくつかあり、中でも最も有名なのは「春秋左氏伝」です。この書物は、「春秋」の記述に対して詳細な解説や評価を加えており、紀元前700年頃から約250年間の歴史を扱っています。そのため、当時の政治や社会、文化に関する貴重な情報源としても位置づけられています。

春秋の注訳書に春秋左氏伝春秋公羊伝春秋穀梁伝があります。
戦国策

前漢の劉向の著です。
「戦国策」という書物は、中国の戦国時代に活躍した遊説家たちの言動や策略をまとめた歴史書であり、この書物から戦国時代という言葉が生まれました。劉向が、宮中の蔵書を校定し、編集したとされ、全33篇には各国の出来事が分類されています。この書物は、権謀術数や人間心理を利用した遊説家たちの逸話を通じて、戦国時代の政治や社会の様相を知ることができる貴重な史料です。
主に戦国時代に活躍した遊説家たちが国のトップにしたアドバイスや政策を、国別にまとめたものです。
ちなみに虎の威を借る狐という言葉は、この書からきています。
史記

前漢の司馬遷の著です。
伝説時代の黄帝か前漢の武帝までの2千年以上の歴史が編纂されています。
もともと史記とは「歴史を記した書」という意味をもつ一般名詞でしたが、あまりにも司馬遷の史記が優れているので、固有名詞となったと言われています。
漢書

後漢の班固らの著です。漢の高祖から平帝までの歴史が記されています。
史記のような過去の王朝のことを流れで編纂した通史ではなく、後漢という1つの王朝についてまとめられた断代史であることが特徴です。
後漢書

南北朝の宋の范曄らの著です。
後漢の光武帝から後漢が滅びるまでの歴史が編纂されています。
後漢書の中の東夷伝に、倭奴国(後の日本)が後漢へ遣使したと記されているという点で、私たちにも馴染みのある史書かもしれませんね。
三国志

普の陳寿の著です。
魏の文帝から普の武帝までの魏・呉・蜀3国の歴史が記されています。
このなかの「魏書」にある魏志倭人伝には、邪馬台国からの使者や卑弥呼についての記述もあります。
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『必携 明説漢文』 尚文出版
『新国語要覧』 大修館書店

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