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論語 為政第二 19~21 |
著作名:
春樹
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論語とは
論語は、中国の思想家である孔子とその弟子たちの言行をまとめた書物です。儒教の経典の一つで、朱子学における「四書」の一つに数えられています。論語は20篇からなり、各篇は孔子や弟子たちの問答や教訓などを短い文章でまとめています。
論語は孔子の死後に弟子の弟子たちが編纂したと考えられており、漢代には魯論・斉論・古論などの異本がありましたが、後漢の鄭玄が校定して現在の本文が定まりました。
論語は非常に簡潔で実践的な倫理を説く書物で、孔子の思想を最もよく伝えるものとされています。その内容は日常生活に即しており、人間関係や政治・教育・道徳などについての智慧が詰まっています。論語は中国だけでなく日本や西洋にも広く影響を与え、多くの注釈や翻訳が作られました。
論語には有名な名言も多くあります。例えば、「己所不欲、勿施于人」(己が欲しくないことは、人にも施すな)、「温故知新」(古いことを学んで新しい知識を得る)、「三人行必有我師」(三人歩けば必ず私の師となる人がいる)、「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」(知る者は好む者に劣り、好む者は楽しむ者に劣る)などです。
論語は、中国のみならず、世界中の人々に影響を与えてきた偉大な思想書です。その内容は、現代社会においてもなお、多くの人々を導き、励ましています。
以下に、論語の中からいくつかの章を抜粋して紹介いたします。
学而篇
学而時習之,不亦樂乎
学ぶこと、そして時をみてそれを習うこと、これこそ楽しいことではないだろうか
為政篇
為政以德,譬如北辰,居其所而眾星拱之
政治は徳によって行われる。北辰のように、その場所にあってすべての星がその周りを回るように
八佾篇
非禮勿視,非禮勿聽,非禮勿言,非禮勿動
礼に反することを見ず、礼に反することを聞かず、礼に反することばを語らず、礼に反することを行わないように
里仁篇
仁者愛人
仁者は人を愛する
公冶長篇
君子欲訥於言而敏於行
君子は言葉に訥かしく、行いに敏やかであれ
雍也篇
知者不惑,仁者不憂,勇者不懼
知者は惑わず、仁者は憂わず、勇者は懼れず
述而篇
子曰、学而不思則罔,思而不学則殆
孔子曰く、学んで思わずば惑う、思わず学びば危うし
泰伯篇
子曰、君子之仕也,以德為之,及其成功,以禮自處
孔子曰く、君子の仕官は、徳をもって行い、その成功したとき、礼をもって自らを処す
子罕篇
子罕曰、不吾知者,其人惡乎在?吾嘗終日不食,終夜不寢,以思,無益,不如學也。學而不思則罔,思而不學則殆
子罕曰く、我を知らずんば、その人いずくにか在る?我嘗て終日食わず、終夜寝ず、以て思惟すれども、益なき、不如学なり。学んで思わずば惑う、思わず学びば危うし
鄉黨篇
子曰、吾未見剛毅如是者也,子路。自反而縮,其為仁矣。
孔子曰く、我未だ剛毅なるを子路の如きを見ず。自ら反して縮み、その為仁なり
論語は、中国のみならず、世界中の人々に影響を与えてきた偉大な思想書です。
【原文】
ここでは、為政第二 19~21について解説します。
19:哀公問曰、何為則民服、孔子対曰、挙直錯諸枉、則民服、挙枉錯諸直、則民不服。
20:季康子問、使民敬忠以勧、如之何、子曰、臨之以荘則敬、孝慈則忠、挙善而教不能則勧。
21:或謂孔子曰、子奚不為政、子曰、書云、孝于惟孝、友于兄弟、施於有政、是亦為政也、奚其為為政。
【書き下し文】
19:哀公問いて曰く、何を為さば則ち民服せん。孔子対えて曰わく、直きを挙げて諸れを枉れる(まがれる)に錯けば(おけば)則ち民服す。枉れるを挙げて諸れを直きに錯けば則ち民服ぜず。
20:季康子問う、民をして敬忠にして勧めしむるには如何せん。子曰く、これに臨むに荘を以ってすれば則ち敬あらん、孝慈ならば則ち忠あらん。善きを挙げて不能を教うれば則ち勧めん。
21:或るひと、孔子に謂いて曰わく、子奚ぞ(なんぞ)政を為さざる。子曰わく、書に云う、孝なるかな惟れ孝、兄弟に友あり、有政に施すと。是れ亦た政を為すなり。奚ぞ其れ政を為すことを為さんや。
【現代語訳】
19:哀公が孔子「どうすれば国民は服従してくれるのでしょうか。」と尋ねました。孔子がおっしゃるには、「まっすぐな志をもった人を起用して、曲がった心をもった人の上に抜擢すれば国民はみなついてくるでしょう。反対に、徳のないような曲がった人を起用し、まっすぐな志を持った人たちの上におくのであれば、国民はついてこないでしょう」とのことです。
20:季康子は孔子に、「国民を、誠意をつくして奉仕させるためにはどうしたらよいのでしょうか」と尋ねました。孔子、「あなたが権力をもってこれを行おうとするならば国民は従ってはくれないでしょう。しかし、慈悲に満ちていれば忠誠を地下ってくれるはずです。優れた人材を登用して、そうではない人材の指導に充たらせるのがよいでしょう」と答えました。
21:ある人が孔子に「あなたはなぜ政治に携わらないのですか」と尋ねました。孔子は答えました。「書経にはこう書いてあります。『親を思う人間は、兄弟の仲もよい。これこそ孝であり、その孝は国の政治にもよい影響を及ぼすと』。そう考えると私の生活も政治の一部であり、主君にわざわざ仕えて政治を行う必要はないと考えるからです」と。
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