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サラミスの海戦とは わかりやすい世界史用語960 |
著作名:
ピアソラ
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サラミスの海戦とは
サラミスの海戦(紀元前480年)は、ギリシア・ペルシア戦争の中で最も重要な海戦の一つであり、ギリシア連合軍がアケメネス朝ペルシアの大艦隊を撃破した戦いです。この戦いは、ギリシアの独立と文化の存続に大きな影響を与えました。
サラミスの海戦の背景には、紀元前490年のマラトンの戦いでのペルシアの敗北があります。ペルシア王ダレイオス1世の後を継いだクセルクセス1世は、ギリシアへの再侵攻を決意し、紀元前480年に大規模な軍事遠征を開始しました。ペルシア軍は、陸軍と海軍を合わせて約20万人から30万人の兵力を擁していたとされています。
ギリシア側は、アテネの政治家テミストクレスの提案により、ペルシア軍の進軍をテルモピレーの狭隘な峠で阻止することを決定しました。テルモピレーは、中央ギリシアへの唯一の陸路であり、地形的に防御に適していました。テルモピレーの戦いでスパルタ王レオニダス1世率いる少数のギリシア軍が奮戦しましたが、最終的には敗北しました。
戦闘経過
テルモピレーの戦いの後、ギリシア連合艦隊はサラミス島に集結しました。ギリシア艦隊は約371隻から378隻の船で構成されており、ペルシア艦隊は約900隻から1,200隻の船を擁していました。テミストクレスは、ペルシア艦隊を狭いサラミス海峡に誘い込み、そこで決戦を挑むことを計画しました。
テミストクレスは、ペルシア王クセルクセス1世に対して、ギリシア艦隊が撤退を計画していると偽の情報を流しました。これにより、クセルクセス1世はギリシア艦隊を包囲しようとし、ペルシア艦隊はサラミス海峡に進入しました。狭い海峡では、ペルシア艦隊の大きな船がうまく機動できず、ギリシア艦隊の小回りの利く船が有利に戦うことができました。
戦闘は激しく、ギリシア艦隊はペルシア艦隊に対して果敢に攻撃を仕掛けました。最終的に、ペルシア艦隊は大混乱に陥り、多くの船が沈没しました。ペルシア艦隊は約200隻から300隻の船を失い、ギリシア艦隊の損失は40隻程度にとどまりました。
戦いの影響
サラミスの海戦は、ギリシア人にとって大きな勝利となり、ペルシアの侵攻を一時的に食い止めました。この勝利は、ギリシア人の士気を大いに高め、ペルシアに対する抵抗の象徴となりました。また、この戦いは、ギリシアの軍事戦術と装備の優位性を示すものでもありました。
サラミスの海戦の後、ペルシア王クセルクセス1世はギリシア本土から撤退し、ペルシア軍の残存部隊は翌年のプラタイアの戦いでギリシア連合軍に敗北しました。これにより、ギリシア・ペルシア戦争は事実上終結し、ギリシアの独立が確保されました。
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