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布銭とは わかりやすい世界史用語335
著作名: ピアソラ
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布銭とは

布銭は、鋤すきの形を模した形状の金属製貨幣を指します。これらは主に青銅で作られ、中国の春秋時代から戦国時代にかけて使用されました。主に韓・魏・趙で用いられました。

布銭の起源は、春秋時代(紀元前770年~紀元前476年)にまで遡ります。この時代、貨幣はまだ一般的ではなく、貝貨が広く使用されていたことが知られています。しかし、貨幣としての機能を持つ最初の金属製品として、布銭が登場します。これらは貝貨を模しており、交換の儀式で使用されることが多かったと考えられています。

布銭は、その後の戦国時代にも引き続き使用されました。この時代には、さまざまな形状の貨幣が登場し、地域ごとに異なる貨幣制度が存在していました。布銭は、この時代の多様な貨幣の中でも重要な位置を占めていたとされています。

布銭の形状は、鋤すきの形を模したから「布銭」と呼ばれるようになりました。これらの貨幣は、主に青銅で作られており、時には鉄を使用したものもありました。貨幣の中央には、通常、四角い穴が開けられており、これによって貨幣を紐に通して管理することができました。

布銭は、中国の貨幣史において非常に重要な役割を果たしました。これは、貨幣経済への移行期における重要なステップであり、後の丸い穴のある銅銭へと発展する基礎を築いたのです。また、布銭は、中国の貨幣鋳造技術の進歩を示す証拠でもあります。これらの貨幣は、鋳造によって大量生産され、その製造技術は非常に高度でした。

布銭の使用は、秦の始皇帝による中国統一後も続きましたが、統一された貨幣制度の導入によって徐々に姿を消していきました。始皇帝の時代には、全国で統一された「半兩銭」が導入され、布銭は次第に使用されなくなりました。

古代中国の布銭に関する研究は、中国の経済史だけでなく、社会史や文化史を理解する上でも非常に重要です。布銭は、中国の貨幣史の中で特別な位置を占めており、その形状や製造技術は、当時の社会や経済の状況を反映しています。

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