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墨家とは わかりやすい世界史用語350 |
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著作名:
ピアソラ
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墨家は、中国の戦国時代に活躍した思想家、墨子(ぼくし)によって創設された哲学の学派です。墨子は紀元前480年頃に生まれ、紀元前390年頃に亡くなりました。墨家の思想は、儒教や道教に対抗する形で発展し、特に儒教に対して強い批判を展開しました。
墨子は、孔子の死後数年後に生まれ、周王朝の封建制度が崩壊し、小国が戦争を繰り返す時代に育ちました。彼は当初、儒教の教えを学びましたが、儒教が過度に儀礼に重きを置き、宗教的な教えを軽視していると感じ、独自の道を歩むことを決意しました。
墨子は、孔子と同様に広く読書をし、中国の古典に精通していました。彼は一時的に公職に就いたこともありましたが、ほとんどの生涯を各地の封建国家を巡り、自身の教えを実践させてくれる君主を探すことに費やしました。彼は質素な生活を送り、自身の教えを真剣に実践する教師として尊敬を集めました。
墨家の中心的な教義は、「兼愛」(けんあい)と呼ばれる無差別の愛です。これは、全ての人々を平等に愛し、互いに助け合うことを強調するもので、儒教の家族中心の愛(孝)に対抗するものでした。墨子は、戦争を強く非難し、防衛戦争を除いて全ての戦争を不正と見なしました。(非攻)彼はまた、質素な生活と実践的な知識を重視し、無駄な儀礼や贅沢を避けることを説きました。
墨家は、社会の秩序と安定を重視し、全ての人々が平等に扱われるべきだと主張しました。彼らは、君主が徳を持ち、人民の福祉を第一に考えるべきだと考えました。墨子は、理想的な社会を実現するためには、全ての人々が互いに愛し合い、助け合うことが必要だと説きました。
墨家は、戦国時代には多くの支持者を集め、各地で実践されましたが、秦の始皇帝が法家思想を採用し、儒教が漢代において支配的な学派となると、墨家の影響力は次第に衰えていきました。
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