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新石器革命・食料生産革命とは 世界史用語52
著作名: ピアソラ
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新石器革命・食料生産革命とは

新石器革命・食料生産革命とは、約1万年前に始まった人類の歴史上の大きな転換点です。それまでの狩猟採集生活から農耕や牧畜を行う定住生活へと移行したことで、人口の増加、社会の発展、文化の多様化などが起こりました。

新石器革命の原因については、様々な説がありますが、一般的には気候変動や人口圧力などが重要な要因とされています。気候変動は約1万2000年前に終わった最終氷期の後、地球が温暖化し、乾燥地帯が広がり、狩猟採集に適した動植物が減少したことなどがその原因でした。これにより、人類はより安定した食料源を求めて、穀物や豆類などの植物を栽培し、羊や牛などの動物を飼育するようになったと考えられます。人口圧力は、狩猟採集生活では食料の不足や競争により、人口が一定の水準に抑えられていましたが、農耕や牧畜により食料の生産が増え、人口が急増したことを指します。これにより、人類はより多くの食料を生産するために、農地を拡大し、灌漑や耕作などの技術を発達させるようになったと考えられます。



新石器革命の特徴

新石器革命の特徴としては、以下のような点が挙げられます。まず、植物や動物の家畜化が行われたことです。家畜化とは、人類が植物や動物の遺伝的特徴を選択し、自分たちの利益になるように変化させたことを指します。例えば、穀物では種子が落ちにくくなり、実が大きくなり、栄養価が高くなりました。動物では、体が小さくなり、繁殖力が高くなり、人に従順になりました。次に、定住化が進んだことです。定住化とは、人類が一箇所に留まり、住居や貯蔵施設などの建造物を建て、集落や村落を形成したことを指します。例えば、世界最古の定住集落とされるジェリコやチャタル・ヒュユクでは、石や泥で作られた家や神殿などが発見されています。最後に、社会や文化の多様化が起こったことです。社会や文化の多様化とは、人類が農耕や牧畜により余剰生産や分業を行い、社会の階層化や専門化が進み、芸術や宗教などの文化が発展したことを指します。例えば、新石器時代には、土器や織物、彫刻や壁画などの工芸品が作られ、祖先崇拝や自然崇拝などの信仰が行われました。




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