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古文単語「のく/退く」の意味・解説【カ行四段活用/カ行下二段活用】 |
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著作名:
走るメロス
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「のく」には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
また、「しりぞく/退く」、「そく/退く」、「しぞく/退く」などとは意味が異なるので注意。
未然形 | のか |
連用形 | のき |
終止形 | のく |
連体形 | のく |
已然形 | のけ |
命令形 | のけ |
間が離れる、間隔をおく、離れる。
[出典]:能登殿最期 平家物語
「...判官かなはじとや思はれけん、長刀脇にかい挟み、味方の船の二丈ばかり退いたりけるに、ゆらりと飛び乗りたまひぬ。」
[訳]:義経は対等に戦えないとお思いになったのだろうか、長刀を脇に挟み込んで、味方の船で6メートルほど離れていたのに、ひらりと飛び乗りなさる。
※「退い」は「のく」の連用形「のき」のイ音便。
「...判官かなはじとや思はれけん、長刀脇にかい挟み、味方の船の二丈ばかり退いたりけるに、ゆらりと飛び乗りたまひぬ。」
[訳]:義経は対等に戦えないとお思いになったのだろうか、長刀を脇に挟み込んで、味方の船で6メートルほど離れていたのに、ひらりと飛び乗りなさる。
※「退い」は「のく」の連用形「のき」のイ音便。
立ち去る、退く、どく。
[出典]:手習 源氏物語
「もの狂ほしきまで、けはひも聞こえぬべければ、退きぬ。」
[訳]:(浮舟が尼僧になったことを見た中将は)気が変になりそうで、(悲しんでいるこちらの)気配も(浮舟に)気づかれてしまいそうだったので、(その場を)立ち去った。
「もの狂ほしきまで、けはひも聞こえぬべければ、退きぬ。」
[訳]:(浮舟が尼僧になったことを見た中将は)気が変になりそうで、(悲しんでいるこちらの)気配も(浮舟に)気づかれてしまいそうだったので、(その場を)立ち去った。
地位を離れる、地位を退く、辞退する、身を引く、手を切る。
[出典]:師尹 大鏡
「帥をばのかせたまひて...」
[訳]:大宰の帥の地位を退かれて...
「帥をばのかせたまひて...」
[訳]:大宰の帥の地位を退かれて...
未然形 | のけ |
連用形 | のけ |
終止形 | のく |
連体形 | のくる |
已然形 | のくれ |
命令形 | のけよ |
取り除く、どかす。
[出典]:万づのことよりも 枕草子
「立てる車どもを、ただのけにのけさせて...」
[訳]:(その場に)止めてある車を、どんどんどかして...
「立てる車どもを、ただのけにのけさせて...」
[訳]:(その場に)止めてある車を、どんどんどかして...
〜してしまう、〜し果たす。
※中世以降の用法。
[出典]:丹波与作待夜の小室節 近松門左衛門
「つひ死んでのけました。」
[訳]:そのまま死んでしまいました。
「つひ死んでのけました。」
[訳]:そのまま死んでしまいました。
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