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古文単語「ぞんす/存ず」の意味・解説【サ行変格活用】
著作名: 走るメロス
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ぞんす/存ず

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サ行変格活用

未然形ぞんぜ
連用形ぞんじ
終止形ぞんず
連体形ぞんずる
已然形ぞんずれ
命令形ぞんぜよ


意味1:自動詞

生存する、生き長らえる

[出典]:牛を売る者あり 徒然草
「計らざるに牛は死し、計らざるに主は存ぜり。」

[訳]:思いがけず牛は死に、思いがけず飼い主は生き長らえている。


意味2:他動詞

(「考ふ」、「思ふ」の謙譲語で)
存じます、考えます、思います

[出典]忠度の都落ち 平家物語
「生涯の面目に、一首なりとも、御恩をかうぶらうど存じて候ひしに...」

[訳]:私の生涯の名誉に、一首だけでも、ご恩を頂こうと思っておりましたが...


意味3:他動詞

(「知る」の謙譲語で)
存ずる、承知している

[出典]:金の音 狂言
「さてもや某が存じた寺々は、大方参ってござすが...」

[訳]:ところで、もう私が承知している寺々は、たいていお参り致しましたが...


意味4:他動詞

有する、持つ、保つ

[出典]:太平記
「佐々木とても今はいかなる野心か存ずらんと、頼み少なく覚ゆれば...」

[訳]:佐々木とて今はどのような野心を持っているだろうか、信用はあまりできないと思われるので...


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