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古文単語「くだる/下る/降る」の意味・解説【ラ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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くだる/下る/降る

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ラ行四段活用

未然形くだら
連用形くだり
終止形くだる
連体形くだる
已然形くだれ
命令形くだれ


意味1:自動詞

(高いところから低いところへ)行く、雨などが降る、川下へ向かう

[出典]:蜻蛉日記
「今日は廿七日、雨昨日の夕べよりくだり...」

[訳]:今日は二十七日、雨が昨日の夕方から降り...


意味2:自動詞

(都から地方へ)行く、下向する

[出典]羽根 土佐日記
下りし時の人の数足らねば...」

[訳]:(京都から土佐に)行ったときの人数が(土佐から京都に戻るときには娘が亡くなったために減ってしまい)足りないので...


意味3:自動詞

(目上の者から)命令が言い渡される、品物が与えられる

[出典]:若菜上 源氏物語
「御土器くだり、若菜の御羹(あつもの)参る。」

[訳]:お杯が与えられ、(光源氏も)春菜で作ったお吸い物を召し上がる。


意味4:自動詞

時が過ぎる、時代が移る

[出典]:増鏡 新島守
「まして、世下りて後、唐土にも日の本にも...」

[訳]:いうまでもなく、時代が移ったあと、唐にも日本にも...


意味5:自動詞

(家柄や品位が)劣る、落ちぶれる

[出典]:徒然草
「品くだり、見にくく、年も長けなん男は...」

[訳]:(妻よりも家柄などが)劣り、醜く、年もとっているような男は...


意味6:自動詞

降伏する、降参する

[出典]:徒然草
「兵尽き、矢きはまりて、つひに敵にくだらず...」

[訳]:武器がなくなり、矢が尽きても、最後まで降伏せず...


意味7:自動詞

謙遜する、へりくだる

[出典]:吉備津の釜 雨月物語
「大人のくだり給ふこと、甚だし。」

[訳]:あなたが謙遜しなさることは、度が過ぎます。


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