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高校古文『名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』わかりやすい現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」現代語訳と解説

このテキストでは、伊勢物語の9段『東下り』そして『古今和歌集』に収録されている歌「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」の現代語訳・口語訳と解説(句切れなど)、そして品詞分解を記しています。




伊勢物語とは

伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、在原業平がモデルではないかと言われています。


古今和歌集とは

古今和歌集(こきんわかしゅう)は、平安時代前期の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。


原文

名にし負はば いざ言問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありなしやと


ひらがなでの読み方

なにしおはば いざこととはむ みやこどり わがおもふひとは ありやなしやと


現代語訳

「都」という名を持っているのなら、(都の事情に詳しいであろうから)さあ尋ねよう、都鳥よ。私が恋い慕う人は無事でいるのかいないのかと。



解説

この歌の作者は在原業平です。伊勢物語によると、東国への旅の道中、隅田川で目にした鳥の名前を都鳥と聞いて詠んだ歌となっています。

この歌は、伊勢物語の9段『東下り』の最後に収録されている歌です。都を離れ、三河駿河と旅をし、武蔵の国と下総の国の間に位置する隅田川まで足を運んだ一行。この歌からは、都や都に残してきた人を思う気持ちを、強く感じ取ることができます。


主な技法

三句切れ


倒置法

「言問はむ」の内容が三句目以降に示されている。


品詞分解

※名詞は省略しています。



格助詞
副助詞
負はハ行四段活用「おふ」の未然形
接続助詞
いざ感動詞
言問はハ行四段活用「こととふ」の未然形
意志の助動詞「む」の終止形
都鳥
代名詞
格助詞
思ふハ行四段活用「おもふ」の連体形
係助詞
ありラ行変格活用「あり」の終止形
係助詞または終助詞
なし形容詞・ク活用「なし」の終止形
係助詞または終助詞
格助詞


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著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。

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