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古文単語「ひかふ/控ふ」の意味・解説【ハ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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ひかふ/控ふ

このテキストでは、ハ行下二段活用の動詞「ひかふ/控ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ハ行下二段活用

未然形ひかへ
連用形ひかへ
終止形ひかふ
連体形ひかふる
已然形ひかふれ
命令形ひかへよ


意味1:自動詞

待機する、進まないで留まる

[出典]:見物は 枕草子
ひかへたる車どもを見やりたるこそ、をかしけれ。」

[訳]待機している牛車らを眺めるのが、面白い。


意味2:自動詞

そばにいる、傍らに控える、しがみつく

[出典]宇治川先陣 平家物語
「上がらむとすれば、後ろに者こそむずと控へたれ。 」

[訳]:(川から岸に)あがろうとすると、後ろに誰かがむんずとしがみついています。




意味3:他動詞

引き止める

[出典]大江山の歌 十訓抄
「...と言ひて、局の前を過ぎられけるを、御簾より半らばかり出でて、わづかに直衣の袖を控へて...」

[訳]: ...と言って、局の前を通り過ぎられたところ、(小式部内侍は)御簾から半分ほど(体を)乗り出して、少し(定頼の中納言の着ている)直衣の袖を引き止めて...


意味4:他動詞

見合わせる、慎む、遠慮する

[出典]:宇治拾遺物語
「異事どもをば、よく教へたりけれども、その一事をば控へて教へざりけり。」

[訳]:他の事などは、十分に教えたけれども、その一事は見合わせて教えなかった。




意味5:他動詞

手に持つ、握る

[出典]大納言殿参り給ひて 枕草子
「月のいみじう明かく、御直衣のいと白う見ゆるに、指貫を長う踏みしだきて、袖をひかへて『倒るな。』と言ひて、おはするままに...」

[訳]:月がとても明るくて、(大納言殿の)直衣がとても白く見えて、指貫を長く踏んで、袖を握って「転ぶなよ。」と言って、お歩きになっていたところ...


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