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古文単語「こころぼそげなり/心細げなり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】
著作名: 走るメロス
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こころぼそげなり/心細げなり

このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「こころぼそげなり/心細げなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容動詞・ナリ活用

未然形こころぼそげなら
連用形こころぼそげなりこころぼそげに
終止形こころぼそげなり
連体形こころぼそげなる
已然形こころぼそげなれ
命令形こころぼそげなれ


意味1

いかにも心細そうだ

[出典]:若紫 源氏物語
「いと近ければ、心細げなる御声絶え絶え聞こえて...」

[訳]:(源氏の部屋に)大変近いので、いかにも心細そうなお声がとぎれとぎれ聞こえてきて...


意味2

物寂しい

[出典]須磨 源氏物語
「ほのかに、ただ小さき鳥の浮かべると見やらるるも、心細げなるに...」

[訳]:かすかに、ただ小さい鳥が浮かんでいるように見られるのも、もの寂しい感じがして...




備考

「なんとなく」を意味する接頭語「もの」をつけて「もの心細げなり」の形で使われることがある。その場合の活用は以下のとおりである。

未然形ものこころぼそげなら
連用形ものこころぼそげなりものこころぼそげに
終止形ものこころぼそげなり
連体形ものこころぼそげなる
已然形ものこころぼそげなれ
命令形ものこころぼそげなれ


意味1

なんとなく心細そうだ

[出典]桐壷 源氏物語
「いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを...」

[訳]:たいへん病気がちになり、なんとなく心細そうに実家に帰っていることが多いのを...


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